井ノ原快彦キャスターが「いま子供たちが背負うランドセルが大変なことになっているんです」が取り上げた。ある日、東京都内の学童保育施設に集まった小学生16人の荷物の重さをはかると、平均で4.02キロだった。
調査した大正大学の白土健教授は、「小学校1年で『学校行ってきます』と言ったら後ろにひっくり返りそうになったという話を聞いて、(ランドセルの)重さをはかってみたいなとおもったんです」と話す。
4キロちょっとはまだ軽い方で、別の調査では9.7キロのランドセルを背負う小学1年の女子がいたという。
「ゆとり教育」廃止で教科書が拡大・重量化
小学生の荷物が重くなっている原因の一つが、教科書の拡大・重量化だ。「脱ゆとり教育」で学習指導要領が変わった2011年から、写真やイラストが増えて、B5サイズからA4サイズになった。上下巻に分かれていたのが1冊にまとまり、2倍近くの重さになったものもある。6年生までに使う教科書の全ページ数は、この10年で35%も増えた。
白土教授「本当は夢がいっぱい詰まっているはずなんですけど、学校や親の期待でどんどん重さが膨らんでいるようなところはあるんじゃないでしょうか」
千葉では副教材持ち帰らない「置き勉」
街で親の声を聞いてみると、「小学校が近いから、頑張れるなら頑張ってくれたら」「うちは男の子なので、その程度の重さなら耐えてほしい」という声が多かったが、アメリカのデータでは、小中学生が体重の10%以上の荷物を背負うと背中や腰を痛めるおそれがあるという。実際、小学生の腰痛相談が年々増えている接骨院もある。
白土教授は、一部の教材は持ち帰らず学校に置いておく、「置き勉」を推奨する。禁止している学校もあるが、意識改革が必要なのだ。
千葉・流山市では、親たちが荷物を軽くする対策をしてほしいと市議会に訴え、教育委員会が各学校の校長に副教材は持ち帰らないことを認めるよう指導するようになった。