日本の桜が大ピンチ! 木を食べつくす危険な外来害虫が生息地をどんどん拡大

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   高知できのう19日(2018年3月)、桜が満開になった。統計開始以来、全国で最も早い記録だ。17日に開花宣言した東京も、週末には満開になると、「とくダネ」の気象予報士・天達武史はいう。ところが、その桜が今ピンチにあるという。「このままだと日本から桜がなくなってしまう」。どういうこと?

専門家「放置すれば、間違いなく日本の桜は全滅する」

   一枚の写真がある。川の両岸は桜が満開だ。2005年の撮影だが、同じ場所を撮った昨年(2017年)の写真では、大半の桜が姿を消していた。埼玉県草加市の桜の名所。専門家が調べると、虫害の痕跡が次々と見つかった。木が枯れてしまうのだ。

   犯人は、クビアカツヤカミキリという、本来中国や朝鮮半島にしかいないカミキリムシの仲間だ。2012年に愛知県で初めて見つかった。輸入木材や梱包材に紛れて、入ったものらしい。その後13年に埼玉、15年に東京、群馬、大阪、徳島、16年には栃木と生息地が広がっている。

   木の表皮に卵を産み、かえった幼虫が木の内部に入り込み、木を食べて弱らせてしまう。草加市の桜でも、同じ木の枝なのに、蕾をつけていない枝がある。「あそこはもう枯れちゃっている」と専門家。さらに広がると、伐採せざるをえない。

   国立環境研究所の五箇公一さんは、「繁殖能力と分布拡大能力を考えると、今市町村がやっている対策は、焼け石に水。放置すれば、まちがいなく日本の桜は全滅する」という。

   今年1月、環境省は、クビアカツヤカミキリを「特定外来生物」に指定した。日本の生態系に影響を及ぼす懸念があるというのだが、桜が大好物となると「懸念」では済むまい。

   しかし駆除は容易ではない。成虫の寿命は1か月足らずなのだが、幼虫が2、3年をかけて木を食い荒らして成虫になる。木の奥深く入り込むので、表面の殺虫剤散布では届かない。表皮に開いた小さな穴から、薬剤を注入しないといけない。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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