安倍首相が便宜を図ったのではとの疑惑がもたれている加計学園獣医学部(愛媛県今治市)の建設でも、公文書の書き換え疑惑が浮上してきた。きのう15日(2018年3月)行われた野党合同ヒアリングで、希望の党の今井雅人衆院議員が「別の問題で公文書の改ざん疑惑が出ています。安倍首相の友だち案件です」と取り上げた。
黒塗り4枚が2枚になってた
問題の公文書は15年6月に今治市の職員から菅良二市長宛てに出された復命書。市職員が内閣府に出向き、国家戦略特区のワーキンググループ委員からヒアリングを受けた時の内容を報告したものだ。この問題を追及している今治市民ネットワークの村上治共同代表によると、「元の文書は黒く塗りつぶされ、4枚だったが、後で書き換えられた文書は2枚と半分になっていた」という。
削られた部分に何が書かれていたのか。村上代表は「公表してはいけないヒアリングの出席者、加計学園関係者がいたので、スッポリ削ったのでしょう。さらに3枚あった議事要旨も1枚になっていたが、そこには加計学園の関係者の発言部分があったのではないか」と疑った。
村上代表がこの文書を書いた担当者に確認したところ、「ここに加計側の発言があるとまずいから外したんですよ」と書き換えを認めたという。内閣府から「文書を公開するから確認しろ」とメールで指示があり、内閣府の公表文書に合わせたらしい。菅市長は「書き換えではなく、間違いやニュアンスの違いを直すために復命書を別途作成した。古い文書とセットで両方とも保管しているのでまったく問題はない」とコメントしている。
まずい情報が書かれてた?
行政の不正に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は「かりに何か間違いがあっても、常識的には二重線を引いて訂正印を押すのが正常なやり方です。まったく新しいものが作られるのは、まずい情報が書かれていたというケースしか考えられません」と指摘する。
司会の国分太一「森友だけでなく、加計でも疑惑が浮上したわけで、ここまでくると何なにを信じていいのかわからなくなります」