かつてのアイドルで、ことし還暦を迎える桜田淳子が、35年ぶりに新曲を出すなど芸能活動を本格化しつつある。ところが、全国霊感商法対策弁護士連合会の弁護士らは13日(2018年3月)に緊急会見を開き、この芸能活動復帰に異議を唱えた。
紀藤正樹弁護士はその理由を「いまだに家庭が崩壊したり、親子が断絶したりという被害があるのに、それに目をつむって芸能活動していくのは許せない」と話し、「芸能活動復帰すべきでない」と異例の声明を出した。
信者向けメール「私は文鮮明先生を再臨のメシア」
桜田は1992年、34歳にときに韓国の新興宗教「統一教会」(現・世界平和統一家庭連合)へ入信したことを公表し、当日はじめて会った男性と合同結婚式を挙げた。統一教会は高額の印鑑や壷を信者に買わせる霊感商法が浮上し、桜田は教団の広告塔に使われていると当時から指摘されていた。
弁護団はいまも「統一教会による献金強要、詐欺脅迫的勧誘による被害発生は続き、桜田氏は無批判に関わり続けている。むしろ古参信者として、その活動に積極的に加担していると思われます」と指摘する。活動の実態を示すものとして、信者に配信されたメールがある。桜田が昨年行った講演の内容で、そこには「私は文鮮明先生を再臨のメシアであり、真のご父母様であることを信じて疑わない者です」とあった。
元信者は「このメールで献金を促しているのです」と言い、弁護団は「今も年間10億円の被害が出ている」と話している。「説明を求める「ビビット」に、教団は「弁護団の声明は憲法で保障されている人権を侵害する内容だ」とする反論を文書で回答してきた。