森友学園への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書が大幅に書き換え・改ざんされた問題で、国会に提出した文書では安倍首相の昭恵夫人が学園に関係したことをうかがわせる部分がバッサリ削除されていた。だれが何のために、こんなことをやったのか。
もう書き換えなどというレベルではない。もともとの文書はA4で78ページから62ページにわたる290カ所が改ざんされていた。削除された14件のうち5件が昭恵夫人関係だった。
元財務官僚「玉虫色が多い役所文書なのに、異常さに驚きます」
昭恵夫人は森友学園をたびたび訪れて講演などをし、籠池理事長夫妻と小学校建設予定地を現地視察した際は「いい土地ですから、前に進めてください」と発言したことを学園側が財務省近畿財務局との交渉の場で持ち出していた。学園側は籠池夫妻と3人で撮った写真まで提示した。この部分が国会提出文書ではすっぽり削られていた。
玉川徹(テレビ朝日社員)「昭恵さんが出ることによって特例的なことになり、土地取引に急にアクセルが踏まれた」
改ざん前は4ページあった記述が削りまくられ、改ざん後は1ページなった箇所もある。元財務官僚の山口真由さんは「許してはならないことで、玉虫色が多い役所文書なのに、異常さに驚きます」と話す。
菅野朋子(弁護士)「なんでそこでというところを突き詰めないと」
司会の羽鳥慎一「昭恵さんの名前はなぜ消されたのか」
国会議論の中で昨年(2017年)2月17日に阿部首相は「私や妻が関与していたら総理大臣も国会議員も辞めます」と発言した。改ざんはこの2月下旬から始まったとみられる。昭恵夫人の関与を隠す必要があったとしか普通は思えない。
青木理(ジャーナリスト)「一強政権の意向で公文書までが改ざんされてしまったのだろう。戦後有数の特異な権力犯罪だ」
これはもう、昭恵夫人や当時の財務省理財局長だった佐川宣寿氏の国会喚問をするしかないだろう。