世界は目まぐるしく動いているが、日本だけが蚊帳の外である。平昌五輪が終わった直後、韓国の使節団が北朝鮮を訪問し、金正恩労働党委員長と笑顔で会談した映像は、北朝鮮外交のしたたかさを日本人に見せつけた。
安倍首相はあわてて、4月(2018年)に訪米して、トランプ大統領と北朝鮮問題について話し合うと発表した。だが、トランプは韓国側から金正恩が首脳会談を望んでいると聞き、受け入れる意向だと報じられているから、安倍はトランプから「こうすることに決めた」という報告を受けるだけになるかもしれない。
ワイドショーや週刊誌は、北朝鮮の時間稼ぎ、<「4月上旬から米韓合同軍事演習が行われます。この時から、北朝鮮は二重の対応を見せると思います。韓国と融和ムードを続けつつ、再びミサイル発射実験などで、威嚇、挑発を始める可能性がある」(龍谷大学社会学部・李相哲教授)>(フライデー)と懐疑的だが、日本だけが置き去りにされる可能性もあると思う。
そのトランプが鉄鋼とアルミの輸入品に新たな関税をかけることを決めた。それに対して欧州や中国は大反発しているが、日本はどうするのだろう。まさに内憂外患だが、安倍首相の手に余る問題山積で、国会の答弁を聞いていても、心ここにあらずのようだ。
財務省が森友学園の公文書を書き換えたという疑惑に、官僚たちは逃げの一手だ。今後は、朝日新聞が書き換えられた文書をいつ紙面に載せるのかが焦点になる。朝日新聞の思わせぶりな報道の仕方に批判もあるが、安倍との社運を賭けた真剣勝負だから、そのタイミングを見ているのであろう。
昨日(2018年3月8日)、週刊新潮はこの問題に触れていないと書いたが、33ページに半ページ「安倍官邸火消しに躍起の"森友文書問題"舞台裏」というのを発見。失礼しました。
大谷翔平に不安材料・・・大リーグのボールは滑りやすくすっぽ抜け
週刊新潮に、羽生結弦の国民栄誉賞にプロボクシングの村田諒太が咬みついたという記事がある。東京新聞の2月26日に、村田はこう書いた。
<レスリング女子4連覇の伊調馨選手を除くリオデジャネイロ五輪で出た多くの金メダリストには与えず、目立つ結果となった今回の2人(小平奈緒にも贈るといわれていた=筆者注)に検討するのは、五輪の価値とは競技レベル(競技人口、普及率等)ではなく、企業や政治的に広告としての価値があるかどうかなのかと考えさせられる、いらないオマケのついた平昌五輪でした>
よくぞいった村田である。そう、政治家たちのためのショーと化した国民栄誉賞など「いらないオマケ」なのだ。羽生はそんなものがなくとも光り輝いている。いっそイチローのように、現役の間はいらないといったらどうか。
スキーのジャンプで銅メダルを取った高梨沙羅の評判が、彼女が在籍する日本体育大学でよくないと、週刊新潮が報じている。大学にはほとんど顔を見せず、海外で練習していた彼女に「他の学生に示しがつかない」という声は以前からあったという。その上、彼女が五輪後に書いた手記には、日体大や恩師への感謝の言葉がどこにも見当たらなかった。
大学の広告塔としての役割を期待して特別に優遇してやったのになんだ、というわけである。金を期待していたのに、という気持ちもあるのだろうな。沙羅ちゃんはつらいよ!
やはり週刊新潮にエンゼルスの大谷翔平が「滑るボール」に手古摺っているという話が載っている。たしかに、テレビで見たが、かなりのボールがすっぽ抜けて、打者の頭上を越えてしまっていた。在米メジャー担当記者がこういっている。
<「メジャーリーグのボールは表面の革の材質の関係で、日本に比べて滑るのです。加えて、試合が行われたアリゾナはガラガラヘビが出るような乾燥地帯。このメジャー特有の『滑るボール』に対応できていないのは明らかでした」>
滑らないようにコントロールを重視すると投球フォームが小さくなり、スピードが落ちてしまうそうだ。二刀流の一方の打者としても、まだ結果を出せてはいない。素晴らしい素質を持った選手だけに、周囲の期待が大きすぎるのも気になる。1年間はゆっくりメジャーの野球に慣れるという気持ちでできればいいのだが。