金正恩氏が韓国特使と4時間も会談 異例の待遇で迎えた北の狙いは

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   平昌(ピョンチャン)五輪から始まった南北朝鮮の融和外交が、さらに進んだ? 北朝鮮の金正恩・労働党委員長がきのう5日(2018年3月)、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の特使5人と会見し、その様子を北朝鮮メディアが大々的に伝えた。金氏が韓国の要人と会うのは初めて。果たして北の真意は?

   今朝の労働新聞のホームページには、金正恩氏と5人の特使が並んだ記念写真が大きく載った。これは極めて異例。金氏はこれまで、中国など友好国の代表にしか会っていない。韓国とはいまだ戦争状態にあるからだ。

金委員長の南北首脳会談に動きたい意欲を感じる

   しかし、ホームページには、特使と満面の笑みで握手する金氏、会談の様子、その後の豪華な晩餐会の写真もあった。金氏が、文大統領が仕掛けた融和外交を受け止める姿勢を示したことは確か。平昌訪問の中心人物であった金氏の妹、金与正氏の姿が会談の席にも、晩餐会にもあった。

   韓国大統領府によると、今回の特使派遣は、平昌五輪へ北が選手団、代表団を送ったことへの返礼だが、特使は晩餐会も含め、金氏とは4時間も一緒に過ごした。また、晩餐会が行われたのは、朝鮮労働党本部で、韓国人が本館内に入ったのは初めてという。

   これについて、共同通信の元平壌支局長磐村和哉氏は「破格の待遇。金委員長がかなり踏み込んでいて、南北首脳会談に動きたいという意欲を感じさせる」という。

   小倉智昭「労働党本部で、というのは?」

   磐村氏「異例ですね。外部の人間を入れることは滅多にない」「金委員長としては、南北関係を後戻りさせないという覚悟があると、韓国に伝えようとしたんだと思う」

   実りのある中身はあったのか? 韓国政府は、南北首脳会談については「満足な合意を見た」と発表している。ただ、「朝鮮半島の平和と安定では、虚心坦懐に意見を交換した」と言いながら、「失望はしていない」と微妙な言い方だと、磐村氏はいう。「核の問題、アメリカとの話し合いについては、気になるところ」

   小倉「アメリカ側の意向も伝えているんでしょうね」

   磐村氏「当然伝えていると思う。特使の中には、ホワイトハウスとパイプを持っている人がいる」。磐村氏はまた、南北首脳会談は早ければ、6月15日と言っているのだが......。

   小倉「どこまでいくか」

   安田洋祐「日本から見て心配なのは、北朝鮮の時間稼ぎになること。融和が進むと、アメリカも日本も強いことが言えなくなる。会談の一方で、北の核、ミサイル開発が進んでしまうのは最悪」

   小倉「日本にも関わるのだから、どんなことが話し合われたのか知りたい」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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