栄和人・日本レスリング協会強化本部長(57)の伊調馨選手(33)に対するパワハラ問題で、日本レスリング協会は、あす6日(2018年3月)にも倫理委員会を開くと発表した。
疑惑を否定する栄氏と、パワハラを受けたとする伊調選手側の双方から聞き取り調査をおこなうとみられているが、この対応に関して不満が続出している。「当協会が伊調選手の練習を不当に妨げ制限した事実はない」と主張する協会の主導では公平性に欠けるというのだ。
「本来であれば、聞き取りは第三者が行うべき」
騒動のきっかけとなった告発状を提出した貞友義典弁護士は、「協会が公正中立な立場でヒアリングを行えるかどうかは極めて疑問です。むしろ危険」と指摘する。
日本レスリング協会の元ナショナルコーチも「『やっぱりな』と呆れている。外からはなかなか見えないところを内部でなんとかしようというのがレスリング協会の体質」と打ち明ける。
スポーツ問題に詳しい田上嘉一弁護士は「本来であれば、聞き取りは第三者が行うべき」と話す。そして今回の問題は、元横綱日馬富士の暴行問題で揺れた日本相撲協会のケースに似ていると指摘する。「組織が調査をするとどうしても上層部に有利になってしまう。白い目で見られないためにも、第三者に調査させるというのは企業であれば当たり前です」。
伊調選手が東京五輪を目指すとするなら、練習環境を整えることは急務だ。とりあえずは聞き取りで双方が何を語るのかに注目が集まっている。
カンニング竹山「レスリング協会は公益財団法人。世間の目が『あれ?』ってなっているんだから、協会も国も第三者を入れてきちっとしてほしい」
国分太一「そこまで大ごとだと思っていないのでしょうか。レスリングの将来に関わる問題です」
堀尾正明「体質の問題ですよね。一部の報道によると、貞友弁護士は内閣府から『調査は終わった。ガバナンスは問題ない』と回答を受けていると言います。もしこれが本当なら協会主導の調査に対しては不信感のかたまりです」