3月は引っ越しシーズンだが、全国に「引っ越し難民」があふれそうだ。業者の人手不足が原因で、費用も高騰していて、国土交通大臣が「計画的なドライバーや車両の確保に努めていただけるよう、事業者に働きかけていきたい」と乗り出す事態になっている。
東京都内へ3月(2018年)に引っ越そうと予定していた茨城県の主婦は、3社に見積もりを依頼したところ、2社から対応できないと断られ、1社の見積もり額は51万円だった。別の業者に4月引っ越しの見積もりを出してもらったところ、約16万円だった。主婦は3月中の引っ越しを断念した。
就職のため岡山から東京への引っ越しを予定している20代の男子大学生は、引っ越し業者を使わずに身の回りの物は宅配便で送ることにし、家具類は持って行かないことにした。
宅配業界に人材流失
引っ越し難民増加の背景には何があるのか。1つ目は政府が進める働き方改革だ。長時間労働が発生しがちな引っ越し作業では、どうしても人件費などの費用が高くなりがちだ。2つ目は労働条件の改善が進む宅配業の影響である。時間帯指定配達の一部廃止や週休3日制の導入、基本運賃の値上げなどが行われた結果、引っ越し業界から宅配業界にドライバーが流出してしまっているのだ。
司会の小倉智昭「同じドライバーでも、引っ越し業者の負担は大きいから、それだけ高くても仕方ないのかもしれませんが、一部の時期だけが高いというのはやりすぎかなと思います」
文
キャンディ| 似顔絵 池田マコト