あさって25日(2018年2月)の平昌オリンピック閉会式に、トランプ米大統領の娘・イバンカ大統領補佐官、北朝鮮・金正恩委員長の側近の金英哲副委員長が出席するという。いずれも政権PRを狙ったものだが、あまりにも露骨なオリンピックの政治利用に、かえって両国とも評判を落としそうだ。
対韓国テロ指揮の制裁対象者を受け入れ
金英哲は統一戦線部長という肩書で、4人の死者を出した2010年11月の延坪島砲撃事件、40人が死亡した同年3月の哨戒艦「天安」沈没事件など、韓国へのテロを主導したと見られる。「朝鮮戦争の休戦協定を全面的に白紙化する」と発言するなど、米韓の制裁対象者にもなっている。「コリア・レポート」編集長の辺真一氏によると、「韓国では直ちに逮捕するか、場合によっては殺害すべきとの声もある好ましからざる人物」だという。
閉会式で金・イバンカの接触があるのか注目されているが、韓国大統領府は今のところ両者が面会する予定はないとしている。辺真一氏は「北朝鮮は、平昌五輪をきっかけに制裁を切り崩したいという狙いがあり、韓国には要注意人物の金英哲氏を受け入れることで南北融和をアピールする狙いがあります」と解説した。
オリンピック後に激しい文在寅政権批判
作家の吉永みち子「韓国に足を踏み入れたら捕まるような人物を受け入れる懐の深さをアピールしたいのでしょうが、国民的には批判が出るのではないですか。支持率が変化する可能性がある」
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「会う必要はないよ」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「米朝韓がそれぞれ最大限にオリンピックを政治利用しているんですよね。金委員長の妹の金与正さんが訪韓して北のイメージが変わったので、アメリカとしてはこれを元に戻したいのでしょう。オリンピックがなければ、金英哲副委員が韓国に来ることはありえないわけだから、これは最大限の政治利用です」
五輪後に3国の関係がどう変わっているか、注目したい。