平昌オリンピック・女子団体パシュートで日本が1位となった勝因の一つに、オランダから来たヨハン・デビットコーチ(38)の存在があるという。ショートトラック元日本代表の勅使川原郁恵さんは「彼はチームをまとめ、精神面もサポートしており、このコーチがいなければ金メダルはなかったと思います」と話す。
クロワッサン禁止「油のかたまりなんか食べるな」
デビットコーチの厳しい食事の管理にはこんなエピソードがある。ホテルの朝食で選手がクロワッサンを食べていたら、「油のかたまりをなんで食べるんだ」と叱られたという。
トレーニングでも、選手が「もう限界です」と根を上げるても、生理学的データを根拠に「まだいけるよ」と認めない。高木美帆選手が世界選手権でタイトルを総なめにしたオランダのビュスト選手のことを「あんな選手に勝てるわけがない」と嘆いたところ、「なんで同じ人間なのにそう思うんだ。俺なら自分もできると思うよ」と諭されたという。
日本の選手の弱点としていつも体力差が挙げられる。今回の団体パシュートではこの弱点が打ち消された。日本人コーチではなあなあの部分が出てしまい、科学的な指導はできなかったかもしれない。
文
モンブラン