「スケートは止めない。4回転アクセルを目指す」
ガッツポーズと同時に、前かがみに雄叫びをあげながらリンクを移動した。最後に、右足首に触れた。あれは?「感謝です。感謝の気持ちだけです」という。そして出た合計点が317.85。フリーで200点を超えた。
小倉も「すごい」と拍手。次に滑ったハビエル・フェルナンデスも宇野昌磨もこれに及ばなかった。この瞬間、初めて羽生の目に涙が光った。連覇は66年ぶり。宇野は初出場で見事2位になった。東京でも、大阪でも号外に人が群がった。
演技が終わった後の会場で、羽生はこう言っていた。
「スケートを止めることはない。モチベーションはすべて4回転アクセル。これを目指したいなって思っています」
つまり、史上初の4回転半を目指すと。そして「もうちょっとだけ、自分の人生をスケートにかけたい」と。
小倉「後ちょっとだけが、4年なのかな。並のアスリートでは絶対この優勝は無理だと思っていましたが、飛び抜けた存在ですね」
並の人間にはわからないってか?
小倉が平昌から戻っても、「五輪テレビ」は続くんだろうか。この日、五輪以外のニュースがやっとひとつ。将棋の藤井聡太五段(15)が羽生善治棋聖(47)に勝ち、さらに決勝にも勝って初タイトル、初の中学生6段の誕生という「大ニュース」も1分らずの短信扱いだった。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト