平昌(ピョンチャン)五輪で日本のメダル第一号は男子モーグルの原大智選手(20)の銅メダルだった。冬季競技選手の多くが北海道や長野など北国出身の中で、東京都渋谷区広尾で育った異色の経歴を持つ。ワールドカップの表彰台経験もなかった伏兵は「ただただ嬉しい。その言葉以外にない」と喜びを語った。
「元気で、礼儀正しく、負けず嫌いの性格」
原は、広尾中学時代は週末に新潟県のスキー場まで練習に通い、卒業後はカナダに留学して技を磨いてきた。「元気で、礼儀正しく、負けず嫌いの性格」(元モーグル日本代表の桑原竜司さん)という。W杯後はターンが安定し、ジャンプのグラブ(スキー板)をつかむ独自のスタイルが高得点につながった。
日本勢初メダルになった感想を司会の羽鳥慎一に「きょうはいけるぞという感じがあったの?」と聞かれて、原は
「緊張感はあって心臓がドキドキしていたが、スタートから楽しくて早く出たかった。きょうはいけるぞ、の感覚はありました」
と、張りつめた声で答えた。準決勝で1位になった時からいけると思ったそうで、「世界選手権のどん底から這い上がってきたなと感じた。あした(2018年2月14日)朝まで平昌にいて、帰ったら少し休みたい」と、最後はホッとした声を出した。
羽鳥「中学卒業後に親元を離れて練習してきて、初の五輪でメダルをつかみました」
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト