平昌(ピョンチャン)五輪の日本人メダル第1号は男子モーグルの原大智選手(20)だった。ゴールを駆け抜けると、結果を待つように「頼む、頼む」と手を合わせて祈るようなしぐさをしていた。タイムは24秒90、銅メダルに決まった。
表彰式後に「メダルをやっと取れたので、嬉しい気持ちしかありません。失敗する気はしませんでした」と喜びを語った。
東京・渋谷の生まれ。モーグルは小学校6年生からだ。中学卒業後にモーグルの本場、カナダへスキー留学、帰国後のいま大学1年生だ。2016年W杯からトップ10入りが増えてきたが、これまでの最高は4位だった。
母の由美さんは「予選も通ると思っていなかった」と感激
両親も予想外で、母親の由美さんは「予選も通ると思っていなかった」といい、父親の勇樹さんも「本当によくやってくれた。それしか言いようがない」と話す。
原は現地のスタジオに生出演した。司会の加藤浩次が聞く。「ゴールした瞬間にガッツポーズしていましたが、完璧だったと思ったのですか」
原「自分のベストができたと思ったので、そうなったのだと思います」
加藤「その時、点数を待っているときに、祈るようなポーズをしていました」
原「金メダルだったかと思ったのですが、それかどうか、よくわからなかったので」
加藤「会場のコースはどうだったですか」
原「自分に合っていると思いました。コブがとんがっているので、自分には滑りやすかったです」
加藤「日本に帰って一番したいことは何ですか」
原「ベッドで休みたいです」
加藤「日本のファンの方にメッセージをお願いします」
原「努力は我慢して、我慢して、我慢して報われるということが、今回本当に身にしみたので皆さんも努力を続けて下さい」
20歳とは見えないぐらい落ち着いたニューヒーローだった。