平野歩夢「スノボー」連続4回転で狙う金メダル!「周りを黙らせる滑り見せる」

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   獲物を追う鳥のように空中で千変万化するスノーボードハーフパイプの日本代表、平野歩夢(19)は、平昌冬季オリンピックの金メダル候補の一人だ。昨年3月(2017年)、最高難易度の「ダブルコーク1440」(4回転)の大技に挑んで転倒し、大ケガを負った。そのケガによる恐怖心を克服し、この大技で今季W杯で2勝している。

   最大のライバルで、五輪連覇のショーン・ホワイト(アメリカ)との戦いが見どころになる。

1か月前まで「怖くてもう滑れない」大けがでトラウマ

   スノーボードハーフパイプは、全長180メートル、斜度18度のハーフパイプを5~6回ジャンプし、その高さ、難易度、完成度を競う。平野が彗星のごとく登場したのは4年前のソチ五輪だった。当時まだ15歳の中学3年生。平野は日本選手としては冬季五輪で最年少のメダリストとなった。小さい時から憧れのショーンをオリンピックで破り、金メダルを取るのが夢だったが、このときはまだ勝てなかった。

   平野を不運が襲う。スノーボード強化選手の大麻使用が発覚し、全日本スキー連盟は2016年4月、国際大会への代表チーム派遣を自粛した。平野は無関係だったが、ネット上でまるで犯罪者扱いされ、一時は「感情的になってオリンピックはもういいかな」と考えるまで落ち込んだという。

   そのモヤモヤが晴れないまま、左ひざのじん帯と肝臓を損傷する全治3か月の重傷をおった。5か月で雪上での本格的なトレーニングに復帰できたが、恐怖心をぬぐえず、4回転を試すことができない。「やっぱ怖いなって・・・。やろうかなと思い、朝起きて山へ行ってどんどん滑りながら、それに近づくと(恐怖を)思い出してくるんです」

   そして昨年12月、アメリカ・カッパーマウンテンで行われたW杯第2戦で転機が訪れる。ジャンプで転倒し顔を62針も縫う大けがをしたショーンが、ホームページに「私はすぐに戻る。さらに強くなって」と発信していた。そのショーンが平野の目の前で、言葉通りに実践して見せた。ショーンの代名詞になっている3回転半の「ダブルマックツィスト」を見事に決めて、87・25の高得点を出した。平野は「ショーンは諦めない人。『何が何でもやってやるぞ』の気持ちで大会に出てくる。人間として強い刺激を感じる」と話す。

   刺激を受けた平野も4回転を成功させ、95・25の最高点でショーンに8点の大差をつけ、最後の滑りでは前人未到の連続4回転も成功させるた。平野が恐怖心を乗り越えた瞬間だった。

姉妹サイト