平昌五輪の舞台裏で活躍する日本人建築家 突風が吹きまくるジャンプ台に巨大防風ネット

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   「平昌五輪まであと3日ということになりました。もうすぐですね」と水ト麻美アナウンサーが笑顔で伝える。日本代表選手も次々と現地入りし練習を始めている。そんななか、「スッキリ」は大会の裏方を支える日本人のある建築家を紹介した。

「風を70%カット、風速10メートルなら3メートル以下に」

   日本の金メダルが期待できるスキージャンプの会場「アルペンシア・スキージャンプセンター」のことだ。当初、このジャンプ台には「致命的な問題」があるといわれていた。山頂につくられているため、眺望は素晴らしいが、風を遮るものがない。いまの時期は風速8~10メートルの風が吹き、突風になれば15~16メートルにもなる。その強風で選手が空中を飛ぶと、バランスを崩し、安全面にも不安が生じる。

   これを解決したのが長野県に住む建築家の赤羽吉人さん(68)。1998年の長野五輪でジャンプ台の設計から建設まで統括、監修した人だ。

   赤羽さんは「風を70%削減、風速10メートルなら3メートル以下にする」を目標に日本メーカーと試行錯誤して完成させた。ポリエステルなどの化学繊維を縦と横に編みこみ、風を防ぐというものだ。高さ最大25メートル、幅255メートルの巨大防風ネットをジャンプ台のまわりに張って強風を防ぐことに成功したのだ。日本人技術者が平昌五輪に貢献したわけだ。

   きのう5日(2018年2月)、現地に入ったスキージャンプの葛西紀明選手も「金メダルを取りたい」と語っていたが、風の気まぐれでメダルをさらわれないように頑張ってほしいものだ。

文   一ツ石
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