交通ストで「下町」が届かず、代用品を使うと...
ジャマイカ代表は今年1月、国際大会で好成績を収め、五輪出場を決めた。その時、プロジェクトチームの國廣愛彦さんは、「われわれのモノづくりが世界に発信される時が来た」と感激していたものだ。ところが、昨年11月から12月にかけて、ジャマイカチームが乗っていたのは、ラトビア製のソリだった。
ジャマイカ女子チームは2017年11月、「下町ボブスレー」に乗り、ノースアメリカン杯で初の銀メダルを取っていた。が、次のドイツでのW杯では、輸送機関のストで「下町」が会場に届かず、急遽プロジェクトの了解のもと、ラトビア製のソリで出場。結果7位になった。
ここで選手たちが、「ラトビア製で戦いたい」と言い出して、五輪出場を決めたのだった。平昌の本番でも、そのソリを使うという。
岸本哲也「ドイツで滑走テストをしています。そしたら、下町はラトビアより2秒遅かった。2秒違うと70~80メートル違う。ただ、このテストは、日も違うし、天候も違う。ランナーも違った」
ジャマイカのボブスレー協会とプロジェクトチームが話し合ったが、協会は「(下町は)誰かがブレーキを引いているように遅い」といったという。そして1月25日、協会は正式に「平昌では使わない」と通告してきた。
ただ、契約解除の条件には、「損害賠償6800万円」(ソリ4台分の開発費と輸送費)が規定されている。
小倉智昭「ジャマイカは冬季五輪には縁がない。ボブスレーならいけるかという試みが、『クール・ランニング』という映画にもなった。そこと大田区がやるというので、期待していた人は多いんですけどね」
安田洋祐「選手がいいというのなら仕方がない。ただ、今後賠償を払わないとなったら......」
小倉「ラトビアが本当に速かったのかどうか」
笠井信輔は「ジャマイカは意味がわかっているのか。このVTRを訳して見せてやりたい」とカンカンだ。
小倉「冬のオリンピックはすべて道具を使う。スキー板1枚でも、選手は海外のもの使っているからね。ジャンプでも」
さあ、どうなるのか。日本の苦衷が、カリブ海のおおらかな国民に通じるのだろうか。