札幌市東区で31日(2018年1月)深夜に起きた自立支援のための共同住宅の火災では、48~85歳の男性8人、女性3人が死亡した。建物は築40年の元旅館で、14年前に賃貸アパートに改築し、低所得の高齢者やホームレスに月3万6000円で貸していた。
実質的には福祉施設といえるようなところだったが、消火器などは設置されていたものの、スプリンクラーは設置されていなかった。消防局によると、11階建て以下の賃貸契約の共同住宅はスプリンクラー設置の義務はなく、消防署の立ち入り検査はクリアしていたという。
運営していた「なんもさサポート」の藤本典良代表は「金銭的な面もあり、スプリンクラーを付けていなかった」と悔やむ。
福祉と消防のはざまの惨事
司会の加藤浩次「福祉施設とみられていないアパートだから、スプリンクラーの義務はない。微妙な感じがしますねえ」
菊池幸夫(弁護士)「高齢者が多く、食事の提供も私生活の面倒も見ていたとなると、老人福祉施設に近いのだが共同住宅扱い。規模からするとスプリンクラー設置の義務もない。消防と福祉関係の法令の狭間で惨事が起きてしまったんですね。こういう古い施設を使って、少ない予算でいろいろ世話をしてあげる施設は多いはずで、(行政が)どういう資金援助をするか、消防がどうやって不備を勧告していくかという課題が残りますね」
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト