アルツハイマー病を発症前にわずかな量の血液で発見できる技術が開発された。国立長寿医療研究センターとノーベル化学賞受賞者の島津製作所の田中耕一・シニアフェローらの研究グループは、アルツハイマー病では発症の20年以上前からアミロイドβという異常たんぱく質が脳内に蓄積するが、このアミロイドβを0.5ミリリットル(スプーン1杯分)の血液を採取することで検出する方法を確立した。
田中氏「まだできていないアルツハイマーの根本治療薬を含め、さまざまな進展に貢献できる基礎となる非常に大きな成果だと考えております」
肉体的な負担と経済的な負担がもっと軽くなる
これまでの脳脊髄液検査やPET検査は精神的、肉体的苦痛や経済的負担が大きかった。PET検査は1回で10万円かかる。開発された検査ならわずかな血液の採取だけだからもっと軽い負担で済む。
坂口孝則(経営コンサルタント)「素晴らしい開発ですが、欧米ではアルツハイマーとわかかった瞬間に、治療薬がないということで精神的な不安定を訴える事例が報告されている。その辺はどう考えればいいのでしょうか」
横浜相原病院の認知症専門の吉田勝明医師は次のように答えた。「アルツハイマー病は少しずつ、少しずつ確実に進行していきます。発症がいつかはっきりしないために、発見が遅れてきました。それが、痛くない、高くない血液検査ではっきり分かれるようになったことは、画期的といえます。発症を予防する技術もできるでしょう」
モンブラン