きのう1月31日(2018年)午後11時すぎ、札幌市の高齢者自立支援施設から出火し、木造3階建てアパート1棟を全焼、男女11人が死亡した。激しく燃える中から「助けて、助けて」の声は聞こえたが、火の回りが早く、スプリンクラーもなかった。
この施設は札幌駅から北へ1・5キロの住宅街にあり、築50年の元旅館に増改築を重ねた複雑な構造で、1階と2階の個室にお年寄り16人が入居していた。身寄りのない人の面倒を見るNPOが管理運営し、家賃と光熱費、1日3食つきで月7万2000円だったという。
2年前にFNNが「下流老人」で取材
FNNは2年前に「下流老人」の企画でここを取材していた。昭和の建物然とした木造アパートの内部はきれいに改装されていたが、廊下には雑然と物がおかれ、関係者は「防火の不備を指摘されても、全面援助がないと備えられない」と話していた。
ニュースデスクの笠井信輔「有料老人ホームの届けをすると、改築や設備改善を求められるので届けず、札幌市も未公表で黙認していたようです。そうすると、消防の指導もできないんですね。いろんな人がよかれと思ってやっているうちに、こんなことになってしまったわけです」
2009年にも群馬県の未届け老人ホームで10人死亡の火事があった。
お年寄りにはありがたい「3食つき7万2000円」
司会の小倉智昭「3食つきで7万円台は願ってもない施設だったでしょうね。一人暮らしのお年寄りがアパートをなかなか借りられないという高齢社会の現実が、浮き彫りになりました。早く手を打たないといけない」
梅津弥英子キャスター「改善を求めれば、お年寄りの居場所がなくなってしまうわけで、どこから手をつけたらいいのでしょうか」