ドラレコが認知症の兆候をつかみ、居眠りに警鐘を鳴らす時代に
福岡市博多区の運送会社はドライブレコーダーを事故防止に活用している。
ここに勤める女性ドライバー、新坂桐香さん(44)はドライブレコーダーに「危険運転」と検知された件数が18件と最も多かった。制限速度ギリギリ、カーブでもスピードを下げず、急ハンドルや急ブレーキを指摘され、「改善しないと処分もありえる」と社内で判定された。具体的にいわれて「20何年間やってきたと思うと、きちんとしなければと感じました」という。
実は大手保険会社が開発したシステムで、契約先の会社にドライブレコーダーの記録を情報提供していた。これで危険運転が減ると、保険料を最大30%安くする。
新坂さんはこまめに減速を心がけ、ハンドル操作も丁寧にした。社内の安全評価は第3位になり、表彰された。「ドライブレコーダーは運転の癖を教えてくれるお守り、監視役です」と思っている。この会社は保険料が40万円以上減った。
ドライブレコーダーが認知症の兆候をつかんだり、居眠りやわき見運転に警報を鳴らしたりするシステムの開発も進んでいる。
道路に危険箇所の改善にも、急ブレーキがよく使われる場所を割り出して、速度制限を強めたり、標識を増やしたりする。「これまでなら事故多発地点の看板を設置するぐらいだったが、ドライブレコーダーは人と車と道路を同時に録画してくれる。どういう形で何が起きるかの状況が把握できる」と、大慈彌さんは効用を話す。
まだまだいろいろなことにドライブレコーダーは応用できそうだ。「ドラレコ革命」はどこまで社会を進化させるのだろう。
NHKクローズアップ現代+(2018年1月29日放送「〝ドラレコ〟革命~危険な運転をあぶり出せ~」)