法律・行政、ペット業者、飼い主の無責任
法改正を担当した環境省の則久雅司・動物愛護室長は「殺処分ゼロということで、直ちに(殺処分を)止めなければいけない世論を作ってしまったところもある」とちょっぴり自戒するが、現実に生ずるジレンマまでは予測できなかったのか。
動物福祉が専門で法改正の検討委員を務めたアニマル・リテラシー総研の山崎恵子代表理事は「自治体の殺処分ゼロを見ると、ある意味、政治的スローガンになってしまっているところがある」と指摘する。愛護団体に押しつけて殺処分ゼロを自画自賛している自治体の無責任さ。飼主側に「終生飼養」を言うだけで、これといった対策を取らない法改正。さらに、命を預かるという覚悟のない飼い主、犬や猫をもののように売り買いする業者など、ペットブームそのものに大きな問題がありそうだ。
*NHKクローズアップ現代+(2018年1月24日放送「どう減らす?犬・猫の殺処分」)
文
モンブラン