まったく何の予兆もなかったという。きのう23日(2018年1月)午前10時頃、群馬県の本白根山が噴火した。スキー場のゲレンデ一面に噴石が雨のように降り注ぎ、直撃を受けた冬季訓練中の自衛隊員1人が死亡、スキー客ら11人が重軽傷を負った。地元も専門家も寝耳に水だった。
草津町の黒岩信忠町長は「なんであそこから噴煙がと思った。本白根山が噴火するなんて、0.1%も予測しなかった」と驚く。35年前、小規模の水蒸気爆発を起こしたのは、別の白根山の方で、その後は静かで、2014年に火山性地震の増加で警戒レベル2にしたが、昨年、レベル1に下げたばかり。いずれも本白根山は対象外だった。
火山学者の島村英紀さんによると、2014年の御嶽山の噴火は予兆があったが、今回は突然だった。さらに、噴火した「鏡池」付近には記録がなく、本白根山が前回噴火したのも3000年前だった。島村さんは「今の学問レベルでは予知は難しい。また、いつまで続くかの予想は予知より難しい」と説明する。
朝日新聞社での初任地が前橋で、白根山をよく知っているという浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)は「火山だという意識すらなかった」と話す。
きのうすでに30組
島村さん「ほとんどの温泉は火山付近にあります。スキー場でもあるが、警戒レベルを低く出すことで安心情報になってしまう」と指摘する。
司会の羽鳥慎一「レベル1でも噴火したわけですよね」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「ゲレンデで被害に遭っているんだから、避難計画がどうとかいう話ではないですよね」
浜田「これが土日だったらもっと被害が大きかったのではないでしょうか」
警戒レベルが3に引き上げられ、火口から2キロまでの立ち入りを禁止しになったが、草津町は町までは6キロあり、温泉は安全だとしている。しかし、きのうのうちにすでに30組のキャンセルがあったという。また、長野県側の万座温泉スキー場までは3キロしかなく、やはりキャンセルが相次いでいるという。