19日(2018年1月)、JR常磐線の特別快速(下り)の車内で25歳の女性が女の子を出産した。柏駅の病院へ向かう途中だったという女性は、電車内で陣痛を起こしそのまま破水してしまった。赤ちゃんと女性を救ったのは、偶然隣に座っていた主婦・最上都寿美さん(40)だった。
最上さんが異変に気付いたのは、電車が松戸駅を出発してすぐ、午後1時26分。てすりにつかまって、苦しそうにうめき声をあげる女性に声をかけると、「陣痛が来ちゃいました」と答えた。
最初は会話できていた女性だが、その後破水してしまい、柏駅に到着した時点では切迫した状態になっていた。陣痛を訴えてから8分、午後1時34分に柏駅のホームに電車が着いたとほぼ同時に女性は「もうだめ」と座席から転がるようにして床に寝そべってしまった。
初めてなのになぜ?最上さんが冷静だった理由
それを見た最上さんは「これはやばい」と自分の荷物からバスタオルを取り出し、様子を見に来た別の女性に渡し、周囲の視線を遮った。そして駅員に緊急事態を伝え、電車を停めてもらった。
車両に戻ると妊婦はズボンを下ろし始めていた。最上さんが手伝うと、赤ちゃんの頭がすでに出ていた。「とにかく支えなきゃ」と赤ちゃんの頭を支えると同時に体も出てきた。 赤ちゃんはすぐに産声をあげた。
最上さんが「ちゃんと泣いているので大丈夫ですよ」と母親に伝えると、母親は安心した様子だったという。その後病院に搬送された母子はともに命に別状はないそうだ。
それにしても、他人の出産に立ち会うことは初めてだったという最上さんが、冷静に対処できたのはなぜ?実は最上さん、上は20歳から下は4歳まで5人の子持ち。自らの豊富な出産経験が赤ちゃんを救ったのだ。
このエピソードにはさらに幸運が重なる。なぜ最上さんはバスタオルを持っていたのか?それはこの日、入院していた4歳の息子が一時退院の日だったため、荷物に着替えとともに入っていたから。色々な「たまたま」が重なって、赤ちゃんは無事に生まれることができたというわけだ。
近藤春菜「赤ちゃんはもちろん、お母さんのケアをしてあげたのがすごい。安心させてあげるために、すぐに『おめでとうございます』と声をかけてあげるとか」
加藤浩次「(こういう状況で)なかなか出ないよね」
高橋真麻「ホント、たまたま最上さんみたいな方が隣に座っていてよかった。出産って命をかけたものだから、怖いですよね」
橋本五郎「運命としかいいようがない。隣に座ったのが5人も出産した経験のある女性で、たまたまバスタオルがあった。私だったら何にもできない」
加藤浩次「運命ってことで考えると、将来この子は乗り鉄になるんだろうな」