週刊誌編集部にも「♯Me Too」が押しかけるかも・・・女性ヌードはセクハラ?

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   スポーツ・ジャーナリストの玉木正之によれば、「相撲はスポーツと興行と神事がバランスよく成り立っている」そうだ。だが、今は興行だということが忘れ去られ、相撲が何か神聖なものだと勘違いされているのではないか。

   これも玉木からの受け売りだが、相撲は神代の時代から続いてきた「国技」などというのは真っ赤な嘘で、旧両国国技館ができた時、披露文の作成を依頼された作家・江見水蔭が「そもそも相撲は国技」と書き、新しい常設館に「国技館」と名付けたことに由来するのだという。しかも、常設館ができるまでは回向院の小屋掛け興行で、雨の日は中止の晴天10日興行だったそうだ。

   私の子どもの頃は、たしか年に4場所、その後、年5場所になり、昭和33年から年6場所になった。多すぎる。これに巡業が加わり、相撲取りはケガをしてもゆっくり直している暇がない。そのために稀勢の里のようなガチンコ力士と「噂」される相撲取りは、けがが多く休場の連続になる。協会の金儲け体質に歯止めをかけ、せいぜい年に4場所ぐらいにすべきだ。なぜそういう声が上がってこないのか。

   けさ19日(2018年)のフジテレビ系朝のワイドショー「とくダネ!」で、相撲通のやくみつるが、白鵬は今度出てきたら開き直って張り手やかち上げをどんどんやるべきだと話していた。私もそう思う。体力の衰えた横綱が生き残るためにあらゆる手を使って勝ちにいく。そうした生き様を若い力士たちに教えてやるのも横綱の務めではないのか。

   協会は朝青龍のいない土俵を支え、相撲人気を復活させた白鵬にもっと礼を尽くすべきだ。品格などという人間が一番品格がないこと、いうまでもない。

   話はちと変わるが、ハリウッドから起こったセクハラスキャンダルは世界中に広がり、TIMEの表紙「今年の顔」はセクハラを告発した女性たちになった。もちろん、行き過ぎたセクハラは許すべきではないと思う。だが、「今日はきれいだね」「とても魅力的だ」といっただけでセクハラだと告発され、仕事を奪われたりするのはいかがなものかと常々思っていた。

   さすがamourの国の世界的な大女優である。カトリーヌ・ドヌーブ(74)が「ル・モンド」誌で「男には女を口説く『自由』が認められるべきだ」と、世の「♯MeToo」運動に一石を投じた。彼女はもちろんレイプなどは殺人のように重大な犯罪だとしている。週刊新潮によると<まるで魔女狩りのように、女性たちの保護や解放を口実に、彼女たちを永遠の被害者で、男尊女卑に支配された可哀想でちっぽけな存在にしている>と主張したという。これに欧米では大きな反発が起こり、メディアやSNSで激しい攻撃を受けたため、ドヌーブは「不快に思った人へは謝罪する」といわざるを得なかった。

   この運動は、週刊新潮によると、過去に少女との性的関係や虐待容疑のある映画監督、ロマン・ポランスキー監督らの回顧上映の中止を求める運動になり、さらには、ニューヨークのメトロポリタン美術館では、バルテュス(誰だっけ?)のスカートのひだがはだけた少女を描いた作品の撤去を求める署名が1万人も集まったそうである。

   そのうち、女性器だヘアヌードだと、女性の裸を売り物にしている週刊誌にもその余波が来るかもしれない。編集部に女性タレントや女芸人たちが押し掛け、女性を性の対象としか見ない雑誌は廃刊にしろ、社長出て来いとシュプレヒコールが響き渡るかもしれない。

   私はいい時代に生きたと思う。へアヌードのゲラ刷りを女性の編集部員に「校閲へもっていって」とそのまま渡しても、セクハラだなどという批判は受けなかった。トルコ風呂(今のソープランド)へ行ってきた話を声高に編集部で話していても、セクハラだと怒る女性はいなかった(ヒンシュクは買っただろうが)。

   そんなことを大声でしゃべるのはバカだといわれれば、その通りというしかない。しかし、シンガポールのように、道を歩いている時にすれ違った女性に誤って触れてもセクハラで訴えられ、有罪にされる国は住みにくい。ドヌーブのいう通り、「男女の機微」が失われつつある。女性にものもいえない職場が増えているという。これでいいのかと、男たちが声を上げる番ではないのか。

「はれのひ」創業者・篠崎洋一郎-新成人たちの夢を食い物にしたトンデモ詐欺師

   先日の成人の日、二十歳の春を涙で濡らした女の子たちがいた。1度しかない晴れの日だったのに、その日のために注文した晴れ着が届かなかったのである。篠崎洋一郎(55)がやっている振袖の販売・レンタルをする「はれのひ」が、こともあろうに成人式直前に店を閉め、篠崎は27歳の妻と子供を連れて「とんずら」してしまったのだ。

   週刊新潮によると、篠崎なる人物は高校を卒業して、アパレル、清掃用具レンタル会社、菓子製造販売業者と渡り歩き、2003年に着物販売・レンタル業界の最大手に入社して、その後「はれのひ」の前身になる会社を立ち上げ、「はれのひ」横浜店を皮切りに次々とオープンさせていったという。

   一時は羽振りが良かったものの、出店攻勢を重ねた結果、経営は火の車だった。結果、成人式用に何十万円と払い込んでいた乙女たちの、大人への旅立ちの日を涙で汚してしまったのである。いまさら出てきて謝っても取り返しはつかない。この罪は重い。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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