猫による感染で重篤な呼吸困難を起こし女性が死亡した。猫や犬が持つ「コリネバクテリウム・ウルセランス菌」による感染で、厚生労働省によると国内でこの疾患での死亡例が確認されたのは初めてという。
「スッキリ!」が、ペットブームの中、ペットとの濃厚接触が原因で感染するこの病気に注目した。
亡くなったのは福岡県在住の60代の女性。一昨年(2016年)5月に呼吸困難で病院に救急搬送され3日後に死亡した。調べたところ、猫などが持っているコリネバクテリウム・ウルセランス菌に感染していたことが、きのう15日(2018年1月)分かったのだ。
女性は屋外の猫3匹にエサを与えていた
女性は屋外の猫3匹にエサを与えていたことから、この猫から感染したとみられている。
この菌は、ペットの猫や犬のほか牛、馬など家畜の体内にいるウルセランス菌がウイルスによって毒性化し人に感染症する。ただ人から人へ感染することはほとんどないとみられている。
国立感染研究所によると、人への感染例は2001年から2017年11月までに25例が確認されている。このうち14例は猫、5例が犬、1例がヤギを飼っていた。
初期症状は、のどの痛みや咳など風邪に似た症状で、急速に重篤化し肺炎を引き起こす。とくにこの症状の特徴は気道がゴムのような白い膜に覆われ、気道をふさいで呼吸困難になり死に至る。ただ早期に抗菌薬で治療すれば完治するという。
問題は感染経路だが、獣医師によると、人への感染はまれだが、ただ免疫力が弱っている人が、菌を出している猫や犬などの動物に濃厚接触した時には感染するという。
では濃厚接触とはどの程度の接触なのか? くしゃみをしている猫や犬の飛沫を浴びる程度の至近距離、口の周辺を舐めさせる、手でエサをやった後の手を洗わない、人と同じスプーンでエサを与えるなどが危険という。
ところがスタジオでは、ロバート・キャンベル(国文学研究資料館館長)「年中、ところかまわずなめてくる。その都度洗うなんてできない」。ウエンツ瑛土(タレント)「犬2匹、猫1匹がまとめてくるので対処の仕様がない」。
ただ一人、下川美奈(日テレ社会部解説委員)は「実家で猫を飼っており、行くとなめてくる。口をなめさせてはダメと言われているので、その都度洗っています」という。
テレビCMでは女性がネコに口や鼻をペロペロなめさせているが、病原菌の感染を宣伝しているようなものだ。