水銀を注入した加熱式タバコで知人の男性を殺害しようとした滋賀県大津市の設備業、宮脇貴史容疑者(36)が、きのう10日(2018年1月)に逮捕された。昨年6月、男性が宮脇からもらった加熱式タバコを吸ったところ、悪寒やろれつ回らなくなり病院に救急搬送された。なんらかの中毒症状と判断した病院が滋賀県警に連絡し、残っていたタバコを調べると金属水銀が検出された。
宮脇は「1本につき水銀0.3~0.5グラムを注入した。致死量と認識したうえで水銀を注入した」と容疑を認めている。
加熱すると蒸発して毒性
毒物に詳しい昭和大学薬学部毒物学部門の沼澤聡教授は「金属水銀の物理的な性状が分かっていないとできない」犯行と指摘する。金属水銀は常温ではほとんど毒性が現われないが、加熱して蒸気になった水銀を吸い込むと中毒症状が出る。大量に吸い込むと、肺機能障害による呼吸困難や腎不全で死に至るという。
阿部祐二リポーターによると、被害男性は宮脇が以前に携帯電話の修理会社を経営していたときの従業員で、当時の給料未払い分を請求されるのを恐れたのが動機という。
文
モンブラン