「トランプ陣営は大統領選で負けるシナリオだった」など、トランプ政権の内幕を描いたドキュメンタリー本が2018年1月5日に発売され、爆発的に売れている。その衝撃の内容を「モーニングショー」が克明に紹介した。
著者はフリー・ジャーナリストのマイケル・ウォルフ氏(64)。トランプ氏に関わった約200人に聞いた話をまとめた。大統領本人、家族をはじめ政権の主要な人たち全てが含まれる。『炎と怒り トランプ政権の内側』がタイトルだ。
トランプ大統領は出版差し止めを求め、「全ては彼の想像だ」と批判。また、昨年(2017年)クビになった元主席戦略官スティーブン・バノン氏が、ウォルフ氏に話したことで謝罪声明を出したものだから、かえって注目を集めた。
大統領選には負け、ブランドアップするシナリオだった
羽鳥慎一が「(謝るというのは)けっこう本当のことをいっていた?(笑)」とご自慢の「ボード」で内容を追った。
【暴露1】大統領選は負けるシナリオだった。
トランプ陣営のほぼ全員が、トランプ氏は大統領になれないだけでなく、おそらく「なってはいけないというのが暗黙の了解」だった。世論調査でいい数字が出ても、「すぐに終わるだろう」といった反応だった。側近(実名)が「大統領になりたいのですか?」と聞いたが、トランプ氏は答えなかった。
負けた時の未来予想図はこうだった。
クシュナー・イバンカ夫妻「ただの金持ちから国政的な有名人になれる」
コンウェイ大統領顧問「ケーブルニュースTVの売れっ子になれる」
メラニア夫人「人目を気にせずにランチにいける生活に戻れる」
それが投票日一週間前になると――。
トランプ氏「選挙が終われば、強力なブランドと計り知れないチャンスを手にできる」「負けても負けじゃない。完全勝利だ」「トランプは、インチキヒラリーに負けた犠牲者(悲劇のヒーロー)になれる」
そして当選した時――。
長男は友人に「父がまるで幽霊でも見たかのような様子だった」と話した。
メラニア夫人は泣いていた(喜びの涙ではない)。
この一家の表情をメディアが描いたイラストがあった。トランプ氏は唖然と口を開けている。
女性初の大統領を目指すイバンカさんに身内は失笑
【暴露2】イバンカさんの野望
当選した時、クシュナー氏とイバンカさんは重大な決め事をしていた。それは「時が来たらイバンカが大統領に立候補すべきだ」「女性初の大統領はイバンカ・トランプ」と言うものだった。
ところがこれを耳にしたバノン氏は「ウソだろ? 勘弁してくれ。ホワイトハウスで誰もが気づいたはずだ、あいつは底抜けに頭が悪いと。世界情勢や政治のなんたるか、には完全に無知だ」といったという。
番組コメンテーターの中林美恵子・早大教授「トランプ氏は、次の4年もやるつもりか、と聞かれた時、『8年どころか16年やる。次はイバンカだ』と言っている。冗談と思っていたが、この本を見ると......」
読者からの反応は「ショック。悪夢を続けるくらいなら辞職して」「民主主義が極めて脆いことを真剣に考えさせられる」。ワシントン・ポスト紙も「トランプが裸の王様であることを示したウォルフに感謝」と報じた。
羽鳥「でもその人がいま、核のボタンを押せる立場にいる」
玉川徹「その気がないのになっちゃった、というのが重要」
菅野朋子「本人が負けてもいいと思っていたのが、怖い」
中林教授「いまは認めないでしょうけどね」
青木理「全部が薄汚い。理想とか、建前というのがない」
中林教授「一言で言うと、自分ファースト」
青木「こんな人が核のボタンを握っている。彼と一番親しい外国の首脳は誰? 言うべきことを言わないのは誰?」
今朝(9日)のワシントン・ポスト紙は、いわゆるロシア・ゲート事件で、モラー特別検察官が、大統領本人から事情を聴くと伝えた。トランプ氏も前向きだという。