親方の日本国籍条件の意外な起源とは? ハワイ出身の高見山優勝がきっかけ!

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   横綱白鵬がモンゴルのテレビで、日本相撲協会の親方制度への不満を口にしていた。親方になる条件の「日本国籍」に、「国籍を変えずに土俵には上がれるのに、なぜなのか」と疑問を投げた。「国籍条件」では、意外な裏話も明らかになった。

   この番組は10月31日(2017年)に放送された。モンゴルの偉人を紹介する人気ドキュメンタリーで、白鵬を取り上げ、元横綱朝青龍との対談も含む3時間半の大特集だった。過去には、米の俳優スチーブン・セガールさんも、夫人がモンゴル人ということで、出たこともあるという。

   対談は5月(2017年)に収録されたもの。2人で、松山千春の「大空と大地の中で」を熱唱したりしたのだが、シナリオにはなかった朝青龍の発言で、モンゴル国民は、日本相撲の現実を知らされる。

   朝青龍が、「モンゴル国民にひとついうと、親方になるためには条件がある。国籍だ。親方になるには日本国籍に変更しなければならない。モンゴル国民は寂しいかもしれないが、理解してほしい」といった。

   これを受けて白鵬も「土俵には上がれるのに、親方になるにはなぜ国籍を変えなければならないのか。入り口はあるが出口がないようなもの」という。

   朝青龍はさらに、「相撲の歴史1600年、モンゴル人からこれ以上の最多勝をあげる横綱は白鵬以外に出てこないと思う。モンゴル人にはがっかりですが、帰化すれば、白鵬伝説は続くし、白鵬部屋も作れる」と言った。

   国籍条件はどのようにして決められたのか。

   相撲ジャーナリストの大隅潔さんによると、これが決まったのは、昭和47年の7月場所で、ハワイ出身の高見山が外国人として初めて優勝したのがきっかけだったという。外国人力士で親方になる者も出るだろうと、49年春日野理事長(元横綱栃錦)の時、理事会が内規を作った。

巡業資金を持ち逃げされないように!?

   大隅さんはその時、春日野理事長に「国際化も進む中で、差別にならないか」と聞いた。すると理事長は、「甘いな。外国人が親方になって、巡業資金を持ち逃げしたらどうする」といった。半ば冗談だったかもしれないが、「そういうところからできたルールです」

司会の羽鳥慎一「驚きの起源ですね」

玉川徹(テレビ朝日解説委員)「僕はもう少し深いものがあるのかなと思っていた。貴乃花親方が、九州場所打ち上げのパーティーでの挨拶で、『国体を担っていく大相撲を目指す』といっていた。国体とは天皇制。それを武によって支えるというふうに聞こえる」

高木美保(タレント)「高見山親方は初めて外国人から親方になった人。あの人を悪くいう人なんかいない。真面目に努力した人。その時点でそういう評価があったとしたら、努力に報いる気持ちがなかったのかと、不思議。それはないよと」

大隅さん「相撲協会は国技とうたっている。国技だから日本国籍を、というのが原点なんですけど、笑い話的にいうとああなる」

高木「相撲は国技なんですか?」

羽鳥「規定では国技じゃないんですね。でも、ほぼそうだよねという感覚」

玉川が「相撲協会に、国体を担う大相撲という感覚はあるんですか?」

大隅「ありますよ。特に貴乃花親方はそれが強い」

羽鳥「例えばイチロー選手が、大リーグの監督になる時、米国籍になって、と言われたら、えっとなるでしょう」

   「モーニングショー」の取材では、朝青龍は白鵬に、「チャンスがあるなら、別のモンゴル人を成功させよ。『知らない人にものを与えるより、知っている人に与えよ』と言うだろう」といったという。引用はモンゴルの諺で、「身内を利する行動を」という意味だという。

羽鳥「今回の事件の背景にそういうこともあるのかなと感じさせるやり取り」

大隅「貴乃花親方が一番嫌っていたことですね。モンゴル人意識というのはある」

   日本相撲協会は今日28日(2017年12月)午前11時から臨時の理事会を開き、日馬富士暴行事件での貴乃花親方の言動についての処分を出す。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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