中身ないインタビュー
週刊誌界で重きを成す2誌が、そろって渦中の大物を曲がりなりにもインタビューしたのだから、貴乃花が考えている「相撲界への危機感と改革」とは何なのか、聞いているはずだと思ったが、それが、
「少子化が進む中、子どもたちが相撲にどんどんなじみがなくなっていることを危惧していました。これでは将来、力士を目指すわけがない。ですから、相撲学校の創設を提案したり、子どもたちが相撲に触れる機会を増やそうとしてきました」(貴乃花に近い関係者・週刊文春)
失礼だが、彼の改革とはこの程度かと、思わざるを得ない。もっと根本的で深刻な問題が、相撲界にはあるはずだ。それを引き出してくるのがメディアの役目である。
インタビューとは、読者に代わって「聞くべきこと、どうしても知りたいこと」を聞くことである。
それが相手の土俵に乗って、相手のいい分を垂れ流すのでは、新聞の官邸クラブと五十歩百歩と批判されても致し方がないはずだ。