忘年会たけなわだが、中には何十人という予約を無断でキャンセルなんていうケースがあるという。店としてはたまったものではないし、損害賠償の対象にもなるのだが、下手に騒ぐと「ネットの仕返しが怖い」と泣き寝入りもあるらしい。歳末の悲喜こもごも。
東京・町田にある洋風居酒屋「ジーニーズ町田」は、街の角に船をかたどった珍しい造り。オーナーは、ハリセンボンの近藤春菜さんのモノマネをする芸人、ジーニー堤さんだ。ここで先週金曜日(2017年12月22日)、「事件」が起こった。
60人という大口の予約があり、ショーも休んで準備していたところ、時間になっても誰もこない。不審に思って電話すると、「お客様のご都合により、現在おつなぎできません」となっていた。
予約が入ったのは先月中旬。その後30代とみられる男性が、3回も確認に来たというのに、ウンでもスーでもない。7品4000円のコースを60人(合計24万円)だった。3連休前の一番予約が殺到した時期で、この大人数のため、12組の予約申し込みを断ってもいた。二重の損害だ。
余った料理「無料でいいので、食べに来ませんか」
ジーニーさんは30分後、ツイッターで事情を書き、「無料でいいので、食べに来ませんか?」と呼びかけた。それを見た人が次々に現れ、1時間後くらいには満席になって、料理が無駄になることはなかった。中には、「タダは気持ちが良くない」とお金を払っていく人もいた。
しかし、損害は甚大だ。しかも、2階のショースペースの方でも15人の団体が連絡もなく来ない、とわかった。ショーと飲み放題4500円の15人分だ。合計75人分も。ジーニーさんは、60人分についてはきっちりと被害届を出して対応するという。「そういう店だと示して、逃げ得にはしない」
羽鳥慎一「これは大変だ」
宇賀なつみ「3回も打ち合わせしているのに......」
ライバル店の嫌がらせというのもアリか? 無断キャンセルは結構多い。野上慎平が数字を並べて見せた。
2017年間での3年半に、3484店の予約2205万3110件のうち、無断キャンセルが19万3880件という(飲食店向け予約・顧客台帳サービス「トレタ」調べ)。
野上「無断キャンセルが大体1%くらい」
羽鳥「学生街だと、ま、いいかというのもあった」
最近の実例も並べた。東京・立川の「BAR&Dining Mocha」で30人分、13万4400円。この店は、当日キャンセルは料金を頂くとなっていたのだが、電話すると、「一週間前にキャンセルした」という。そう言われると「聞いてない」とは言えない。店は泣く泣く他の客に、料理を無料で提供した。
東京・下北沢の「ぴあ&ぴあ」。2780円の安いコースだったが、130人分36万1400円。聞いてみると、「別の店を予約して、キャンセルを忘れた」と。
羽鳥「130人はきついな。だめだけど、学生だとあるな」
このケースでは、学生が来て、誠意ある対応だったので、キャンセル料は取らずに和解したという。
菅野朋子弁護士によると、無断キャンセルは債務不履行で、店側は損害賠償を請求できる。「法的にはできるが、普通はやらないですよね」
羽鳥「面倒臭い店だと思われちゃうから」
菅野「今、ツイッターでもなんでも、書かれるので、店側としてはやりにくいというところがある。あと、誰かを特定しないといけない。弁護士ならできるが、そこまで手間をかけるか、難しい」
法的にはさらに、業務が妨害されている場合は、偽計業務妨害の可能性もある。「騙すつもりがなくても、適用できる」
青木理「130人分なんて、立派な業務妨害だ」
玉川徹「どこかがやればいいんですよ。ちゃんと訴えてけりをつける」
羽鳥「こういうことになるんだよと」
玉川「その結果をSNSで流す」
忘年会も真剣勝負か。