クレーンゲームの景品を絶対に取れないように設定して料金をだましとったとして社長ら7人が詐欺容疑で逮捕された大阪市中央区のゲームセンターに、摘発前「ビビット」が潜入取材していた。店員の怪しげなボタン操作やあおりトークが行われていた。
客を装った記者が入店した。さっそく店員に、クレーン先の棒を穴に入れると3万円の電動立ち乗り自転車をもらえるというゲーム機に案内された。1回1000円を毎回、店員に手渡す。何度やってもゲットできないでいると、店員が慣れた手つきでやって成功させた。再挑戦するそばから「惜しい、次はいける」とあおられた。帰ろうとしたら、別の店員が4万円相当のアップルウオッチを景品に追加してきた......。
最近は悪評を知らない観光客ばかり狙っていた
記者は結局景品をとれなかったが、ゲーム開始直前に店員が台の下にあるボタンを操作しているのに気づいた。「開始ボタンを押しただけ」という。これについて、都内のゲームセンター店長は「不自然。設定を変えているのは間違いない」という。
景品を爪でつかむ形のゲーム機だと、つかむ力を99段階に変えられる。警察は摘発した大阪のゲームセンターがほとんどのゲーム機で設定を変えたと見ている。2015年だけで30人以上から被害の相談が寄せられ、総額は600万円を超す。「ぼったくりゲームセンター」として有名で、最近は悪評を知らない観光客を狙っていた。社長は容疑を否認、店員は「社長の指示でやった」と供述している。客を夢中にさせるマニュアルまであったそうだ。
赤荻歩アナ「子どもも楽しめるクレーンゲーム機の詐欺が摘発されたのは全国初です。2日で165万円をだまされた人もいます」
司会の国分太一「悪質です。あおられたらやってしまうかもしれない」
堀尾正明(元NHKアナ)「ある場を設定して、劇場化してだますのは振り込め詐欺と同じだ」