阿蘇山噴火で火砕流が四国まで流れる!? 広島高裁が伊方原発3号機の運転差し止めを命令

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   四国電力の伊方原発(愛媛県)3号機について、広島高裁は昨日13日(2017年12月)、運転停止の命令を出した。熊本県の阿蘇山の火砕流が到達する可能性を否定できないという、ある意味歴史的な判断。これを敷衍すると、他の原発にも影響が及ぶ可能性があり、弁護団は勢いづいている。

   原発の運転差し止めを求める裁判は多いが、高裁が運転を禁ずる命令を出したのは初めて。この訴訟も、3月の広島地裁では住民の訴えは却下され、住民が即時抗告していた。

   運転停止は、他の裁判が続いていることから、来年(2018年)9月30日までとされたが、定期点検明けの来年2月運担再開は難しくなった。四国電力は、「安全性は必ずご理解いただけると思っているので、速やかに異議申し立てをしたい」と争う姿勢を示した。

   原発地元の伊方町の高門清彦町長は、「停止が長引くと、町の経済に影響が出る」という。

   高裁判決が根拠としたのは、海を隔てた九州の阿蘇山の噴火の可能性だ。2013年に出された新しい原発規制基準では、原発から半径160キロ以内にある火山についても判断される。160キロは、9万年前に阿蘇山で起きた過去最大の噴火で、火砕流が160キロにまで及んだという事例があるため。

   その阿蘇山の基準がそのまま適用されたのも皮肉だが、阿蘇から伊方原発までは、海を隔ててはいるものの132kmしかない。高裁は、過去最大の噴火を想定した場合、「火砕流が到達する可能性は小さいとは言えない」とした。「到達しない」としていた四国電力のシミュレーション結果を「根拠不十分だ」と否定した。

2つの原発が160キロ圏内に

   これで見ると、阿蘇からは玄海原発(佐賀)が136キロ、川内原発(鹿児島)が144キロで、どちらも同じ論理で行くと、運転停止になりうる。今後議論になることは必至だ。

   住民の弁護団は、「瀬戸内海が守られます。大変重要な判決」といった。さらに、「火山についての記載は、他の原発にも当てはまることなので、水平展開ができる極めて重要な部分だ」とした。

   司会の羽鳥慎一「四国電力もシミュレーションしたのだが、その想定は甘いですよということだった」

   高木美保(タレント)「こういう見方もあるんだなと、ハッとした。原発では火山は軽視されてきたから」

   玉川徹(テレビ朝日解説委員)「九州には他にも、鹿児島にカルデラがある。喜界島にもある。これで南九州の縄文文化は壊滅している。そもそも、日本はどこで地震があるか噴火があるかわからない国。原発を考えないといけない」

   高木「火砕流は海を越えていくんだというのにもびっくり」

   羽鳥「今回の判断は、全国的な問題になりうる」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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