北朝鮮の木造船から人が上陸した北海道・松前小島の写真200枚を「とくダネ!」が入手した。そこには生活の痕跡や何から何まで持ち去ろうとした泥棒行為の爪痕が残っていた。
無人島の緊急避難小屋を管理する吉田修策さん(67)の話では、重さ500キロから600キロの発電機がすっぽり消え、配電盤は壁を破壊されて取りはずされ、ドアノブまでが盗まれていた。緊急避難に備えて常備されていた食料や日用品もすべて消えたという。
写真には荒らされた室内に燃料タンクが散乱し、押入れにはローソクをつけた跡があった。人がいるのを知られないように電灯を使わなかったのだろうか。11月28日(2017年)に木造船が最初に確認されてから10日間ぐらいは乗組員が島で生活していた可能性がある。
岸本哲也リポーター「島は荒らされています。いろんなところを壊され、これが本当に漁船員なのかという疑問も出ます」
木造船からは軍所属を示す文字や番号も発見された。漁民監視の軍人や工作員がまじっているのか、それとも最初から日本の無人島に上陸する気だったのか、甘くは考えられない状態だ。
被害総額1600万円超える
島からはほかにもソーラーパネルやバイクが盗まれ、被害総額は1600万円を超す。木造船を解体処理するだけで「2015年の時は100万円近くかかった」(松前町水産課)という。松前町の漂着ゴミ処理予算は年間60万円しかない。
樋口一磨弁護士は「法的には損害賠償義務が木造船側にあるが、現実的には泣き寝入りせざるをえない。刑事事件として罰することはできるが、強制送還となるだろう」と話す。乗組員は窃盗容疑で逮捕や入管施設に収容、病人は治療するが、経費はすべて税金だ。
司会の小倉智昭「迷惑ばかり受けている」
梅津弥英子アナ「北朝鮮の船では、交渉のすべがないですね」