宮司の姉らを殺害して自殺した富岡八幡宮の元宮司・富岡茂永の遺書が、関係者、マスコミに届いた。手紙の消印は「8日上野」で、凶行の直前に投函されたとみられる。
文書はA4で8枚あり、最後に署名と指印があった。「30年にわたって続いた富岡家の内紛の真相をお伝えする」という書き出しで、姉の長子さんを「極悪非道極まりない」と罵り、「永久に富岡八幡宮から追放する事」「自分の息子を宮司の跡取りにする事」などを要求している。
さらに、怒りと憎しみを書き綴っている。「長子らは卑劣なクーデターを起こした」「私が二度と復帰できないように、社会で生きていけないように画策した」「私は私を罠にはめた卑劣な奴らを絶対に許さない。死んでもこの世に残り、怨霊となり、私を罠にはめた奴らを祟り続ける」
茂永は父の跡を継いで宮司になったが、素行の悪さから宮司を解任され、相続からも排除された。今回の凶行も宮司復帰の道が閉ざされたことへの恨みと、将来を絶望したためとみられる。
宮司は給料制で交際費もあり
富岡八幡宮は正月のお賽銭やお札などでざっと1億円の収入があるといわれ、所得税、固定資産税も免除、関連の営利事業も法人税は低減される。このあたりになると、話はかなり生臭くなる。宗教学者の島田裕巳氏氏は「宮司というのは給料取りなので、(茂永)どうしてそんなに金が使えたのか」と首をかしげる。交際費はあるのだそうだが、「一晩で200万円などありえない」という。
玉川徹(テレビ朝日解説委員)は「殺人事件のあったところに、お参りに行くかなあ」と話すが、この日も富岡八幡宮は大勢の参拝者が訪れていた。「神に仕える人は神じゃない。人間なんですね」
司会の羽鳥慎一はしきりに「複雑だ、複雑だ」と言っていたが、この事件、案外、単純なんじゃないの。