北朝鮮空爆はあるか?
さて、トランプ米大統領が北朝鮮を攻撃する腹を固めたという。空爆するのは12月17日だというのは週刊文春、クリスマスだというのはサンデー毎日である。
週刊文春の根拠は、この日が故・金正日の命日だからというもの。週刊現代のほうは、クリスマス休みで韓国にいるアメリカ人たちの多くが帰国しているから。
週刊現代の労働党幹部インタビューを読む限り、北朝鮮への圧力は相当な効果を出しているようだ。
幹部の口から、現在、90年代に200万人が餓死したといわれる「苦難の行軍」の再来だといわれ、平壌でも、落ちたトウモロコシを拾って食べている子供を見かけるという。
だが「『貧しいから(北朝鮮が)白旗を掲げる』という考えは、完全に誤っている。むしろ貧しくなればなるほど、われわれは戦争の道を選択するだろう」といっている。
そうだろう。主体思想で洗脳させられた多くの北朝鮮の国民には、誤ったアメリカ帝国主義を倒すことこそ、理想の国家をつくると信じているのだから。
件の幹部は、北朝鮮問題を解決するには、「トランプ自身が平壌に来るのが、一番の早道だろう」という。
私は、北朝鮮攻撃はないとみている。ましてや核戦争の可能性などあるわけはない。
北朝鮮政策では穏健派のティラーソン国務長官を辞めさせ、強硬派を据えたところで、トランプは結局、北朝鮮攻撃などできはしない。
冷戦真っ只中の85年。米ソ首脳のレーガンとゴルバチョフがジュネーブで会談した。雰囲気は最悪だったが、ゴルバチョフの粘り強い話し合いの姿勢と、「核戦争に勝利者はいない。核戦争は絶対してはいけない」という意思に、レーガンも合意し、世界中が驚いた「核兵器を50%削減する」ことを発表したのである。
レーガンを尊敬するというトランプは、この故事に倣い、平壌ではなく第三国で米朝首脳会談をやることを提案すべきだ。それが最善の道である。