いきなり映像だ。夜の市街地を少年とみられる一団が、車の往来する中を、道路をふさぐように展開して走っている。「ブーン、ブーン」という声も聞こえる。そう、暴走族を気取っているのだが、自転車なのだ。ネットに公開したことで明らかになった。何考えてるんだろう、今時の子どもは......。
場所は滋賀県内の県道。自転車は少なくとも5台が写っていて、中には二人乗りもいる。それと、これを撮影している自転車がいる。映像から、カメラを頭にくくりつけているらしい。「いけ、いけー」「ブーン、ブブブーン」「前進!」などと叫んでいる。
どうやら中学生くらいに見える。車を追い越す。センターラインを越えて対向車線にはみ出したり、3台並んで車線を塞いだり、徐行している車の間を走り抜けたり、とまあ、やりたい放題。「これ絶対、誰かひかれるよ」「集中、集中」「盛り上げていこう」という声もあった。
警察は動画の存在を把握して、確認中だというが、映像の中で、「今日ぐらいポリ(警察)と遊んでやってもいい」「いったろかい。ポリいわしたるわ、ほんま」という声もあった。
バイクの暴走族さながらなのだが、これが自転車ときたもんだ。しかし、司会の羽鳥慎一は、「遊びのつもりなんでしょうが、罪にも問われます」という。
自転車といえども、法律上は「軽車両」なので、道路交通法が適用される。映像で見られた行為がどんな違反になるかを、専門家に確認してもらうと、まず、対向車線へのはみ出しは、「通行区分の違反」(3か月以下の懲役または5万円以下の罰金)になる。また、動いている車の間をすり抜けるのは「安全運転義務違反」(同)だ。
自転車でも立件される
実際過去には立件された例もあった。「暴走族の練習」だと、自転車3台で車の前に飛び出し、約150メートルにわたって蛇行運転して通行妨害した中学生3人が「安全運転義務違反」で書類送検されたという。
しかし「モーニングショー」は、どこでかは伝えず。今回の動画も、「滋賀県」とだけで町の名前を出さなかった。リポーターも、「駅の方からくる道で」などというが、どこの駅かは言わなかった。
羽鳥「中学3年生くらいでしょうか。こんな迷惑な少年たちはいない」
高木美保(タレント)「接触してたら大変」
羽鳥「最悪死亡です」
高木「未成年だと、責任は親がかぶる。また、ネットに載せたら将来まで残る。楽しくても、結果は重い」
羽鳥「映像も仲間内で撮って、面白いからあげてる。自覚を促すのは難しそうだ」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「暴走族は、10年前に比べ半分以下になってる。もう、時代に合わないというか、流行らない。だから都会ではほぼ見ない。滋賀だって、暴走族の予備軍にもならないでしょう。ただのバカな中学生。バカはいますよ。どこでもどの時代でも」