2か月後に迫った韓国・平昌冬季五輪へロシアは参加できなくなった。
国ぐるみのドーピング問題が指摘されているロシアの平昌冬季五輪参加の可否について協議する国際オリンピック委員会(IOC)の理事会が5日(2017年12月)開かれ、ロシア五輪委員会を資格停止とし、ロシア選手団の参加を認めないことを決めた。
ただバッハIOC会長は6日未明(日本時間)の記者会見で、個人資格で出場する選手について「個人もしくは団体の競技でロシア出身のオリンピック選手として参加できる」と述べた。
ただし個人資格で出場する場合は「過去にドーピングで失格がない」「反ドーピング機関推薦の検査を出場前に受ける」など条件をクリアする必要がある。
また個人資格で優勝してもロシアの国旗掲揚や国歌演奏はないうえ、ロシア代表のユニホーム着用は認められていない。
個人資格で参加する選手も
この結果を受け金メダル最有力候補の女子フィギュアスケートのメドベージェワ選手は6日未明、「私が約束できるのは、こうした状況でも皆さんを喜ばせるために全力を尽くして頑張ることです」と個人資格で参加する意思を伝えた。
IOCの決定に対し日本アンチドーピング機構のアスリート委員を務めるコメンテーターの松田丈志(競泳元日本代表)は次のように指摘する。
「少なくともロシアは、前回のソチ冬季、リオ夏季、そして今回と3大会でドーピング問題が指摘された。ロシア国内での選手に対する監視体制がまったく機能していない。私たち選手は常に抜き打ち検査を受けるルールがあるが、ロシアの選手はうまくすり抜けて検査を受けない選手が多い。やっとこういう決断に至ったなと思います」
司会の加藤浩次は「ドーピングに関係なく頑張って練習し五輪を目指してきた選手は残念ですよね」と同情。これに松田は「ルールをちゃんと守っている選手が被害を受ける。ドーピングの大きな問題はそこにある」と話す。
五輪を国威発揚の場と考えるロシアのプーチン大統領がこの決定に今後どう出るか? 評論家の宮崎哲弥は「彼は、政治的なチョッカイを出すのが好きでそういうことに?らなければいいが...」。