愛知県警はきのう4日(2017年12月)、新城市の81歳の女性を、器物損壊の容疑で逮捕した。なんと25年にわたって、隣家に嫌がらせを繰り返し、手紙を送りつけてきた末だが、直接の逮捕容疑は微罪に過ぎない。また戻ってくるのは確実。逆恨みでさらにひどくなるのではと、隣家は心配している。
逮捕されたのはA子容疑者。防犯カメラには、いろいろなシーンが写っていた。棒を持って、ブロック塀越しに棒でトントンと家の外壁を突く。壁面はボコボコだ。ペンキを持ってきて、家の前のブロックタイルに落書き。夜にまた戻ってきて、さらに加筆......車に張り紙はする。放水、投石......。
隣人が文句をつけても受け付けない。「土地泥棒しとるじゃないか」とわけのわからんことをわめく。家の前には、「千郷村所有地」と書き込む......ここは今は新城市だが、以前は千郷村だった。無論、土地の所有権は正しいのだが、この女は認めないのだという。
郵便物も届く。これまでに約500通だが、この2年ほどは毎日だ。封筒に切手を貼って、郵便局から届く。「家族を連れて出て行け」、やれ殺人未遂だ傷害犯罪だ窃盗罪だと言いたい放題。
以前は付き合いもあった隣同士だったが、25年前、両家の間にブロック塀を作った時、隣人側が1センチだけ張り出してしまった。その後、塀を作り直しているのだが、以来嫌がらせが続いているのだという。
すぐに戻り、さらに不安
今回の逮捕容疑は器物損壊罪。3年以下の懲役または30万円以下の罰金だ。隣家の住人は、「不安です。今以上に腹がたつでしょうから」という。
司会の羽鳥慎一「被害者の方としては、逮捕されてもまた戻ってくるという不安が大きいということです。25年にわたる嫌がらせ......」
宇賀なつみアナ「そうなんです。発端は塀の1センチだったんですが、5年前から『泥棒だ』『殺人未遂だ』と罵声。車に張り紙、手紙......」
その実物を見せたが、毛筆書きで、「駐車場泥棒続行中」「毛布泥棒」など意味不明の非難が並ぶ。なかなか立派な筆跡だが、書くには相当時間もかかりそう。一日中これにかかっているのか?
羽鳥「通りかかった人は、なんだろう?と思うものが貼られていると」
青木理(ジャーナリスト)「ご近所トラブルはいろいろありますけど、警察が逮捕しても、重罪ではないから、しばらくすると出てくる......」
羽鳥「似たような問題が各地で起きていて、どう解決したらいいのか」
菅野朋子(弁護士)「器物損壊罪の初犯ですと、通常起訴猶予の可能性もあるし、入ってもすぐ帰ってくる。全く解決にならない。むしろ逆恨みされて、ますますひどくなる可能性もある。手紙の文面を見ても脅迫にはなりにくいし......」
羽鳥「解決の方法がない。しかし、25年続いているのは、かなりの精神的なプレッシャーですね」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「微罪ですし、この人は罪を負ってもなんともないのかもしれない。すると抑止には全くならない。どうしようもない」
羽鳥は「考えさせられる事案です」と警察みたいな口調で締めくくった。先にどこかで通せんぼ老人がいたし、ゴミ屋敷はあるし、変な人って、案外多いんだね。