横綱日馬富士の暴行引退で一躍注目を浴びているモンゴル力士の集まりだが、第一世代の旭鷲山らが互いに励ます場として作ったという。それがいまや横綱はじめ幕内の2割を占める一大勢力になった。新世代になって、様々な確執が生まれたことも、今回の事件は見せてくれた。
モンゴル力士が集まる場所は多いらしい。そのひとつが東京・錦糸町で、今回の事件の発端にもなった。周囲の住民は「うるさい」なという。巡業先でも羽目を外して騒ぐ姿が見られ、貴乃花親方が「接触禁止」としていたのもわからないではない。
日本相撲協会の危機管理委員会の高野利雄委員長は「生活互助会が以前からあった」と報告している。金を集めて病気の力士の見舞いや冠婚葬祭の費用、モンゴルの病気の子供たちの支援やボランティア活動などもしているという。
現役時代から互いに憎悪
モンゴルでも日馬富士引退のニュースは大きく取り上げられたが、そんな中、騒動のはじめから一種の情報源になっていた旭鷲山に異変があった。大統領非常勤顧問補佐を解任されたというのだ。それも、仕組んだのは元横綱朝青龍だというから生臭い。この2人は現役の時から因縁の間柄だった。
朝青龍は事件の詳細を発信する旭鷲山にブログなどで激しく噛み付いていた。一種の派閥のようなものがあり、朝青龍は頂点にある白鵬につながるとされる。この日もツイッターで、「怒ってる」「モンゴルの偽物ヒーローを大統領がクビにしました」などと書き込んでいた。
日刊スポーツの柳田通斉記者は「日馬富士を誰も止めなかったというのが不思議」というが、ただの飲み会ではない。まして、横綱が3人揃っている場は互助会ではない。