レコード大賞「ドン」への告発
乱闘といえば、年末のレコード大賞を巡って、週刊文春で、昨年までレコ大の最高責任者である制定委員長を4年間務めていた作曲家の叶弦大(81)が、芸能界のドンといわれる周防郁雄を告発している。
これには伏線がある。昨年(2016年)、週刊文春は、11月3日号で、「三代目JSBはレコード大賞を一億円で買った」というスクープを放った。
三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEが大賞に選ばれたが、その裏では、所属事務所からバーニングプロダクションに1億円が払われていたと、請求書まで開示したのだ。
それから1年が過ぎ、今年もレコ大の季節だが、早くも誰それが受賞するという噂が出ているのである。叶はこういう。
「今年も日本レコード大賞(レコ大)の審査が大詰めを迎えています。
現在、メディアでは大賞や新人賞などの"確定"情報が飛び交っています。十二月三十日に、委員の投票で決定されるはずの賞が、なぜ現段階で確定などと報じられるのか? それは、投票日の前に周防さんが票を取りまとめているからです。
彼の "鶴の一声"で大賞が決められ、それが外部に漏れ伝わるのでしょう。
栄えある日本レコード大賞がこんな状態でいいのか。何より審査は公正中立であるべきだし、全国の音楽ファンの皆さまが納得し、喜べるものであるべきです。
しかし、現場はその対極にある。このままではレコ大は死んでしまう。本来の姿に戻すために、現状を糾弾するほかはないーー。そう決意し、取材にお答えすることにしました」
叶は、周防のやりたい放題を許しているのは、メディアの人間たちだという。
「審査員の多くを占めるのはテレビ局、一般紙、スポーツ紙の代表ですが、周防さんは彼らマスコミに影響力を及ぼすことでレコ大をコントロールしてきました。
周防さんの影響下にある芸能事務所、そこに所属するタレントは膨大な数です。もともとマスコミ各社には"B担"と呼ばれるバーニング担当者がいて、日ごろから親密に付き合っている。歌手のインタビューやネタを提供してくれる周防さんに頼まれれば断れない立場の人間が、審査員を務めているのです」
もうだいぶ前から、レコ大は周防郁雄の私的なお祭りに成り下がっているのだ。叶の告発は遅きに失したというしかないが、それを見てみないフリをしてきたTBSなどの罪も大きいと思う。
週刊文春と周防とのやりとり。LDHから支払われた1億円の問題について聞きたい。
周防「答えるわけにはいかないよ」
周防社長らが結託して票を集めているそうだが。
周防「そんなことはありえない」
「権力者の手によって"つくられた受賞曲"ばかりが跋扈し、ファンの皆様が一番愛した曲がいちばん評価される、という形になっていない。本来、日本レコード大賞こそがその役割を果たさねばならないはずです」(叶)
レコ大も紅白歌合戦も役割は終えたと思う。消えたほうがいいのではないか。