貴乃花親方と八角理事長との対立
貴乃花は以前から、なれ合ってつるんでいるモンゴル力士たちを苦々しく思っていたから、相撲人気が盛り上がっている今こそ、角界を浄化するために徹底的に戦うといっているそうだ。
貴乃花の刃は、相撲協会を私物化していると彼が考えている、現在の八角理事長にも向いている。
だが、世論に押され場所中にも関わらず、真相解明に動き出した危機管理委員会の事情聴取の依頼にも、すげなく「お断りします」と拒んだ貴乃花に、多くのメディアは批判的だ。
「協会の発展に努める理事として、貴乃花親方には協会に協力する義務がある。ファンが望んでいるのは早期解決と情報の開示。足を引っ張る行為は看過できない」(スポーツ報知・相撲担当キャップ網野大一郎)
週刊新潮で、相撲評論家の中澤潔もこう指摘する。
「協会の構成員、しかも巡業部長という重要なポストにいる人間が、協会に事情を聞かれても『分からない』と、とぼけてみせるなんて、貴乃花親方が騒動を大きくしようと意図していたとしか考えられません」
酒癖が悪いと書かれている日馬富士だが、週刊新潮は日馬富士の行きつけの銀座のクラブや、博多の中洲の店での飲み方を取材し、日馬富士は荒れた姿を見せたことがないと報じている。
しかし、たまに怒ることはあったという。
「後輩力士の態度や言葉遣いが悪い時です。放置していたら横綱として示しがつかないと思ったのでしょう」(行きつけの店の関係者)
日馬富士は法政大学に通い、自ら絵筆を取り、富士山をモチーフにした油絵を描くことで有名だ。相撲取りの中ではかなりのインテリといえるかもしれない。
その日馬富士が『新潮45』12月号に手記を寄せている。そこにこんな言葉がある。
「稽古は嘘をつきません。神様の導きと親からもらった丈夫な体だけでは、相撲に勝つことはできないんです。稽古をした者しか勝てないんですよ。(中略)一日中相撲のことを考えているのが横綱。力士全員にそれを求めるのは難しいでしょうが、『強くなりたい』と思うなら、若手力士にはそれぐらいの気持ちで相撲に取り組んでほしいと思うのです」
2020年の東京オリンピックまで現役を続けたいともいっているのだが、どうなるか。
孤立する貴乃花と貴ノ岩対モンゴル力士+相撲協会の"乱闘"は、まだ長引きそうである。