厚労省は先週(2017年11月)、インフルエンザが8県で流行期に入ったと発表した。東京都内でも学級閉鎖は、昨年(2016年)を上回るペースという。流行のキモは、「殺人インフルエンザ」と呼ばれる死亡率の高いタイプというのだが、ワクチンが不足している状態が続いている。寒さが本格化する中、大丈夫なのか。
ワクチンの不足はかなり深刻で、都内では、予約を受けられない医療機関が続出している。「必要量の半分以下、10分の1とか極端に少ない。ここまで極端なのは初めて」という医師もいる。
厚労省によると、昨年の使用量は2642万本だったが、今年の製造量は2528万本で、100万本以上も少ないという。シーズン前の最初の培養がうまくいかなかったため、必要な分の培養が遅れたということらしいが、その必要なタイプが問題だ。
「H3N2」と呼ばれる、俗に「殺人インフルエンザ」というタイプ。今のところ感染率は、38%(国立感染症研究所)だが、高齢者や疾患のある人は重症化しやすく、厳重注意が必要という。
この「H3N2」は今年、オーストラリアで約21万人が感染し、546人の死者を出している。これは前年の8倍という。「H3N2」は日本にもあり、通常オーストラリアなど南半球での流行が、半年遅れで日本に及ぶ。09年の「パンデミック」と呼ばれた新型、豚インフルやジカ熱もそうだった。
池袋の大谷クリニックの大谷義夫院長は、「12月中旬にはワクチンも間に合うのではないか。2週間で効果が出て5カ月もつので、流行期の1月、2月、3月は乗り切れる」という。
インフルエンザは、咳、くしゃみなどによる飛沫感染、ドアやつり革などによる接触感染とがある。飛沫感染を防ぐには、人から顔を背ける、マスクの使用など。接触感染には手洗いという古典的な手しかない。
司会の国分太一「毎回聞くんですけど、忘れちゃう」
大谷院長は「マスクを外す時は、表面に触らないように。接触感染になってしまう。蓋のついたゴミ箱に捨てること」という。
ガムも効果的な予防に
大谷院長は、意外な予防効果があるものをあげて、対策を示した。まず挙げたのが、「ガムを噛む」。これはガムを噛みことで唾液が出て、喉のウイルスや細菌を洗い流す。のど飴も有効で、加湿器もいい。「乾燥すると、ウイルスが活性化してしまう」(大谷)
お茶のカテキンも抗菌、抗ウイルス作用がある。お茶でうがいするのもいい。豆乳の女性ホルモンもウイルスを抑制する。そして歯磨き。口からの雑菌は、ウイルスの増殖を助けるので、日に3回磨くと有効だそうだ。
国分「外から帰って来たら磨くといいかも」
家族でもタオルを別にすることも重要だ。大谷院長は「この時期は、ペーパータオルを多用してもいい」という。
また、インフルエンザにかかりやすいのは、睡眠不足と運動不足。口が開いている人、顔を手で触る人、だそうだ。理由はわかりますね。