横綱日馬富士(33)の暴行事件が妙な展開になってきた。実際何が起こったのかが、一向に分からない上に、殴られて頭蓋底骨折という貴ノ岩(27)が、巡業や稽古を続けていたり、相撲協会の動きもキレが悪い。「モンゴル人社会」に何かあるのだろうか。
一昨日(2017年11月14日)から九州場所を休場している横綱日馬富士は、昨日早朝の飛行機で東京に戻り、さらに午後10時前には再び福岡へ戻った。付き人もなく1人で、記者たちの質問にも一切答えず、伊勢ヶ濱部屋へ戻った。
暴行事件の様子もわかったような、わからんような。まず、貴乃花親方も伊勢ヶ濱親方も実際何があったのか、「よく分からない」と言っている。元小結の旭鷲山はウランバートルにいながら、暴行の様子をきちんと聞いているようで、これまたおかしなことだ。
旭鷲山によると、鳥取での懇親会では、鶴竜、白鵬、日馬富士の3横綱と貴ノ岩がテーブルの同じ側に並んでいた。貴ノ岩が「これからは僕らの時代ですから」と言うと、日馬富士は「何言ってんだ」と不快な様子だった。そこで貴ノ岩の携帯電話が鳴り、日馬富士が「人が話してるのに」と切れたのだという。
隣にいた白鵬が止めようとしたが、日馬富士に突き飛ばされ、貴ノ岩は殴られ続けた。ビール瓶で殴ったかどうかもよく分からない。というのは、事件について、元横綱の朝青龍までが、「ビール瓶では殴っていない」とツイッターで言っている。なんで、朝青龍にまで情報が?
ともあれ、貴ノ岩は殴られた翌日の先月27日には松江、28、29日は広島と巡業で、土俵に上がっている。その映像では、みたところ普通なのだ。さらに貴乃花親方と自治体を表敬した時の写真でも、殴られたような顔はしていない。
貴乃花親方の動き
貴乃花親方も当初は知らなかったようで、29日になって鳥取県警に被害届を出しているのだが、奇妙なことに相撲協会への報告はしていない。協会は、今月2日に警察からの連絡で知った。
協会は翌3日、両親方から聞き取りをしたが、2人とも「よく分からない」と詳細は把握していなかった。そこで協会は「何もなかったんだ」と判断したというのも不思議な話だ。当の貴ノ岩は、親方には「転んだ」と言っていたらしい。
そして、貴ノ岩は5日から9日まで入院して、10日に九州場所の休場を決めているが、協会には理由を言っていない。診断書も退院した9日のもので、協会には13日(場所2日目)に出している。
この間の事情を、相撲記者の山崎正さんは、「貴ノ岩は番付では下なので、自分からは動けない」と角界のしきたりをいうが、堀尾正明は「後で悪くなったんだろうか。その後の巡業や稽古もあっただろうし」と言う。
医師の話では、頭蓋底骨折でも、神経や手足に症状が出ないことはありうるという。力士って、そんなに頑丈なの?
国分太一も「ナゾは深まり、腑に落ちないことも多くなってきた」と言う。
相撲協会の中に、モンゴル語の情報ネットワークでもあるのだろうか。そもそも事件のあった懇親会での会話は、何語だったんだ?