「皇帝級」の歓迎にやられたのか、中国訪問中のトランプ大統領は、依然は盗人呼ばわりしていた中国を「称賛します」とヨイショしまくった。巨額な対中貿易赤字も、「過去のアメリカ政権に問題がある」とこれまでのアメリカ大統領が無能だったのがげんいんだという。まあ、ボーイング社の航空機300機を購入するなど米中企業間で総額約2500億ドル(約28兆円)の契約を結んだのだから、有頂天になるのも無理ないのかもしれない。
2050年までに2超大国で世界支配
北朝鮮への圧力強化で米中が一致できなかったのは予想通りだが、日本にとって気になるのは、会見での習近平主席のこの発言である。「太平洋は中国と米国が共存するのに十分な広さがあるので、2つの大国が意思疎通と連携を強化すべきだ」
太平洋の東と西をアメリカと中国で仕切るという発想がある。ゲストの共同通信の磐村和哉編集委員はこう解説する。「今回、トランプ大統領を『皇帝並み』にもてなしたのもそこに狙いがあります。中国は2050年までにアメリカと肩を並べる大国になりたいと先月(2017年10月)の共産党大会で打ち出しました。そのアメリカと中国で太平洋を分割する形でアジア地域は中国、東太平洋はアメリカがやるという舞台設定をしたのだと思います」
中国は以前にも同様の主張したことがあるが、アメリカ側はバカなことを言うんじゃないよという対応だった。しかし、トランプが大統領ではその気になる心配がある。
文
モンブラン