米中が「必ずぶつかる」テーマ 首脳会談、豪華もてなしの真意

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   初のアジア歴訪を続ける米のトランプ大統領は8日(2017年11月)午後、北京空港に到着した。空港からの車列はフルスピードで天安門広場を駆け抜け、なんと、世界遺産の「紫禁城」へ入った。日に8万人と言われる観光客を完全に締め出し、習近平国家主席夫妻自らが案内に立ったのち、京劇も鑑賞した。

   「紫禁城」は明代の皇帝・永楽帝が改築し、清朝末期までの栄華を誇った。現在は故宮博物院として、世界遺産に登録されている。かつて映画「ラスト・エンペラー」の撮影も行われ、幼帝溥儀の戴冠式から満州へ向けて退去するまでの宮廷の日々を描いて、往時の皇帝の権力のほどを示した。

   これまでにも、米大統領が訪れたことはあるが、国家主席自らの案内というのは、例がない。ずらりと並んだまばゆい黄金の展示品の列をさして、習主席が「持ってごらんなさい」と勧めた。トランプ氏が持ち上げようとしたが、動かない。「純金です」

コートを着たままで京劇を鑑賞

   さすがに寒いのか、コートを着たままで京劇を鑑賞。その後、中国伝統の版画を擦ってみるなど大サービスだった。その後の夕食会は、これまで名前も聞いいたことがない「建福宮」という紫禁城の一廓で開かれたが、ここは記者団も立ち入りを拒否された。清の時代の皇帝の住居で、一般には非公開の特別な建物だという。

   中国の国賓は概ね、中国政府首脳が生活している「中南海」に招かれ、晩餐・観劇が普通。1972年の田中角栄首相も、毛沢東主席、周恩来総理と会談している。前回、オバマ大統領の訪問でもそうだった。トランプ氏には「皇帝級」の配慮がうかがえるということか。

   国分太一「トランプさんは、日本でも韓国でも最大級のもてなしだったんですが、中国では『皇帝級』。僕だったら完全に調子に乗ってますね」(笑)

   真矢ミキ「故宮でのもてなしはどうですか?」

   富坂聰・拓大教授も、「驚きました」という。「建福宮を調べて、なるほどと分かった」

   国分「なぜ中国がここまで手厚くしているのか」

   富坂氏「中国は、米中関係の基礎がまだできてないと見ているんです」

   テリー伊藤「アメリカは対中貿易赤字が38兆円ですよ。彼はビジネスマンとして、今日からの話し合いの中で、これをどうするんだと言うだろう」

   富坂氏「中国は、上級の話と下級の話を区別している。北朝鮮問題などは、下級の話で、うちが出来ることは限られてますよ、と言うはず。北が中国の言うことを聞くなんて、100%ない」

   テリー「中国の海洋進出も、もう一つポイント」

   富坂氏「必ず厳しくぶつかることになるが、そうは見えないようにしている。日本は、中国から見ると、存在感が薄くなっている」

   ゴルフ程度では、埋められない溝もあるということか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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