米のトランプ大統領夫妻は昨日7日(2017年11月)午前、専用機で米軍横田基地から在韓米軍最大の基地へと直行。文在寅大統領と在韓米軍と韓国軍のトップの出迎えを受け、強固な軍事同盟と北朝鮮への圧力を誇示した。そして、夜の大統領府での晩餐会にも、驚きがあったが、矛先は日本に向けられていた。いったい何を考えてるのか。
ハンフリーズ基地は、米軍が海外に持つ最大の軍事基地だ。今も休戦状態にある軍事境界線からはわずか90キロ。北への圧力となる米韓合同軍事演習の司令塔でもある。現職の米大統領が国賓として韓国を訪問するのは、ジョージ・ブッシュ大統領以来25年ぶり。ここで両首脳は、北朝鮮問題への強い立場を確認した。
大統領府での晩餐会メニューは、牛カルビ、松茸ご飯、チャプチェなどの韓国自慢の味だったが、実はそのチャプチェ(春雨、野菜の炒め)の中に、韓国が実効支配を続けている「竹島」(韓国名独島)周辺で取れるエビ(ボタンエビの一種)が入っていた。
共同通信の元ソウル支局長の平井久志さんは、「エビに国籍はないのに、わざわざ独島エビと名付けて紹介するという姿勢は、残念ですね」という。菅官房長官は、「外国要人への接遇の仕方にコメントは差し控えますが、どうかとは思います」といった。
反トランプの抗議デモ
今回のトランプ氏訪問には、その対北朝鮮の強硬な発言に、韓国内では反発の声も強かった。この日も約200の団体が抗議デモしたと言われる。文大統領も本来は、北とは対話路線を主張しているのだが、今年に入ってからのミサイル・核実験の繰り返しに、やや強硬な姿勢を出してきている。どのみち、韓国内の意見は微妙だ。
平井さんが、反トランプの人たちの多くは反日でもある。反トランプをなだめるのに、「日本カード」を使ったのでは、と見る。
大統領府での晩餐会には、元従軍慰安婦だという女性の姿もあって、トランプ大統領と抱擁を交わしていた。この問題では、両国間に国際問題化しないという合意があり、日本政府は昨日、韓国政府に抗議したという。
日韓では常に、比較の対象にされるが、今回のトランプ氏の滞在は、日本が2泊3日48時間、韓国が1泊2日26時間。
司会の国分太一「他に何か考えられますか」
堀尾正明アナ「メディアの中には滞在時間を言うけど、重要なのは対話の中身」「それの全体のスケジュールで言えば、中国でしょう。その後ベトナム(APEC)、フィリピン(ASEAN)と移動する」
トランプ氏のアジア訪問は5カ国、10日間。まずは今日午後に移動する中国。後半にはロシアのプーチン大統領との会談もある。案外、面白い場面が見られるかもしれない。