神奈川県座間市のアパートで起きた9人死体遺棄事件を「いくつもの謎があります」(司会の羽鳥慎一)と、現段階で整理した。
(1)逮捕された白石隆浩容疑者(27)はなぜアパートの契約を急いだのか。
白石は8月22日(2017年)に賃貸契約を結んだが、「とにかく急いでいた」と関係者は言う。フリーレント契約といい、9月1日から契約すればその月1カ月分の家賃が無料になるのだが、白石は10日足らずの分しか使わずに入居した。
(2)連続凶行につながる境界線は何か。
白石は8月末頃、SNSで知り合った女性と彼女の交際男性の3人で飲食していた。その後彼女だけを呼び出して殺害、これまで分かった中では最初の犯行らしいが、探しに来た男性も「警察に届けられては」と呼び出して殺害したと供述している。東洋大学の桐生正幸教授は「この男性殺害以前と以後を分けて考える方がいい。それまでと違う一面が出たのではないか」と推測する。
(3)2カ月に9人殺すという異常なペースは?
白石はSNSに「#自殺募集」とハッシュタグ付きで「いっしょに死んでくれる人」を探す女性に返信を送り、つぎつぎと犯行に及んだ。フリージャーナリストの渋井哲也氏は「白石は飲食店のスカウト時代からSNSを使ったやり取りで信頼関係を作るのがうまかった。共感コミュニケーションのテクニックを持っていた」と見る。
SNS上にあふれる自殺募集サイト
SNS上にこうしたサイトがあふれていることも白石の行動を容易にした。「モーニングショー」が「#自殺募集」を調べると、10月1カ月で342件あった。「年内の実行を考えています」(20代女性)、「練炭で考えています」(女子高生)
ITジャーナリストの三上洋氏は「毎月10件以上のペースで増えている」という。渋谷氏によると、10代から30代の女性に多く、上は50代もいるそうだ。
羽鳥「SNSを放置していいのか」
中にはやり取りしたことで思いとどまる人もいて、一概にはいえないというが、何もしないで放置するのはいくらなんでもまずいだろう。