神奈川・座間市のアパートで、殺害した9人の男女の頭部をクーラーボックスなどに保管していた男が、死体遺棄容疑で逮捕された。男は殺人も認めているが、動機は自殺幇助とも金目当てとも見られ、今ひとつ定かでない。男は今朝1日(2017年11月)、警視庁高尾署から東京地検立川支部へ身柄が送検された。
男は、無職の白石隆浩容疑者(27)。おととい(10月30日)、行方不明の23歳の女性の捜査で高尾署員がアパートを訪れた時、白石容疑者は入り口にあったクーラーボックスを指したという。ボックスには2人分の頭部があったが、室内には他に7個のボックスと収納ケースがあり、合計9人の頭部(うち1人は男)と骨などが見つかった。
発端は今月24日、「八王子在住の妹が不明だ」という兄の訴えから、自殺願望のサイトが浮かび上がり、JR八王子駅と小田急線相武台前駅を、女性と歩く白石容疑者の姿が確認された。女性はツイッターに、「死にたい」「1人だと怖い」などと書き込んでいた。
他の遺体の人物も、同様の経緯をたどったと見られ、白石容疑者は8月末にアパートに引っ越してきて以来、9人を手にかけたと言っているという。動機は、「金銭目的だった」と言っている。遺体はのこぎりで解体して、肉や内臓はそぎ落として、ゴミとして捨てたという。
部屋は家賃1万9000円のワンルームで、アパートの住人は、この間、異臭を感じていたといい、中には、3人がかりで、ボックスをアパートの部屋へ運び上げているのを見た人もいる。
白石容疑者の中学時代の同級生によると、物静かで、自分から発言することはほとんどなく、怒ったりもしなかったという。中学卒業とともに会うことはなくなったが、父親の仕事を手伝っていたとか、歌舞伎町で、風俗店に女性を紹介するような仕事もしていたという話もあった。
警察によると、白石容疑者は「首を絞めた」「証拠隠滅をした」と言っているという。ただ、専門家は、「遺体のうち、首は最も証拠になりやすい。それを残しておいたことが解せない」という。いわゆる猟奇殺人とも違うと。また、9人の身元、接点などもよくわかっていない。
なぜペラペラと供述しているのか?
三輪記子(弁護士)「嘱託殺人の可能性が否定できないので、自分から不利益になることをペラペラと話しているのが、解せない」
司会の国分太一「8月から9人も何てありえるのか」
元神奈川県警刑事の小川泰平氏は、「まだ、調べは1日だけ。嘘も真実も全て聞き取っている段階」という。
問題の自殺願望サイトは、2016年に155件の書き込みがあり、厚労省サイトへの誘導などによって、うち43人の自殺を防いでいる。しかし、書き込みそのものは削除されてはおらず、プロバイダーは放置した状態だという。
国分「ネットの取り締まりをすると、個人同士がやり取りを始めてしまう。難しい」