「のうのうと東京の片隅で生活していると思うと我慢ならなかった、やっと逮捕に漕ぎつけましたね」。
タレントのデヴィ夫人(77)が怒り心頭で話す男が先週(2017年10月)26日、業務上横領の疑いで警視庁に逮捕された。男は、デヴィ夫人の事務所経理を任されていた辻村秀一郎容疑者(60)。横領した金額は分かっただけでも約1億7000万円に上る。
『とくダネ!』が29日、デヴィ夫人を独自取材してところ、男の巧妙な手口もさることながら、デヴィ夫人のお金に対する無頓着な一端が垣間見え、驚かされた。
辻村容疑者の横領が分かったのは昨年(2016年)9月、取引先の銀行から指摘され発覚した。その直後、退職した辻村容疑者に対し、デヴィ夫人は警察に届け出る一方、自身で私立探偵事務所に調査を依頼した。しかし探偵事務所は決定的な証拠はつかめなかったという。
デヴィ夫人によると、「手口は巧妙で知能犯。自分の口座には(横領した)お金を全然入れていないんですよ。見られて困るものは事務所のコンピューターから消した形跡がありました」。
何の資格もない経理担当者
辻村容疑者は、デヴィ夫人が経営する事務所の経理担当として5年半勤めている。最初の2年間は会計士事務所からの派遣という形で契約。あとは個人契約で勤務していた。公認会計士の資格もなければ、税理士資格も持っていなかった。
デヴィ夫人は「実直でギャンブルも女性も全く関係のない人で、まず頭から疑うことはしませんでしたね」という。このため銀行口座の通帳とキャッシュカードは辻村容疑者が管理、銀行印鑑はデヴィ夫人が管理していたという。
「私も迂闊だったんですが、外国生活が40年ありまして、外国では銀行通帳ってものを使わないんですよ。だから銀行通帳というものを私自身見ていなかった」
人の良いデヴィ夫人の信用を裏切り続けた辻村は、事務所の銀行口座から財布代わりに現金を引き出していたらしい。警視庁によると、ATMで1回あたり数十万円~100万円を引きだし、分かっただけでも300回、計1億7000万円を横領していた。
辻村容疑者は「詳細は覚えていない」と容疑を否認しているという。しかし、その被害額はさらに膨らみ、デヴィ夫人は2億6000万円を超えるとみている。
その使い道は警視庁の調べでは、中国系か韓国系か分からないが、女に貢いでいたらしいが、詳しいことは分かっていない。
スカルノ大統領府夫人から世界の社交界、芸能界へと華やかな生活の中で、日々の金銭の流れなどを定期的に把握する時間もなければ気分にもなれなかったのだろう。
「2億円は痛手ですか?」の問いに「それはお金は邪魔になりませんからね」、「賠償請求は?」の問いにも「これまでの例から返ってきた件はないんですよね。諦めるしかないんでしょ」と、あくまで鷹揚。
小倉智昭キャスターも「預金通帳を見る意識がなかったって、銀行残高をご本人は知らないぐらいの生活ということなんでしょうかね」と呆れているようだった。